JRA天皇賞・春(G1)フィエールマン「超スロー」は危険!? 「大得意」超高速馬場の上がり勝負に潜む”落とし穴”とは
「例年この時期の京都は高速馬場ですが、今年は特に速い時計が目立ちます。この傾向は、このままいけば、今週も大きくは変わらないと思われます。
ですが、京都は週中に何日か雨が降る模様。週末は持ち直すそうですが、どこまで雨が残るのかで馬場傾向が変わるかもしれません。フィエールマン陣営としては、今週のようなパンパンの良馬場でやりたいでしょうね」(競馬記者)
天皇賞・春は、菊花賞以上にスローペースの上がり勝負になる傾向が強いが、今年は頭数が落ち着いたこともあって、ますますその傾向に拍車が掛かりそうだ。
上がり勝負の菊花賞を制したフィエールマンにとっては好材料に違いないが、あまりにも極端にペースが落ち着くと「逆に危険」だという。
「先週のマイラーズCは異例のスローペースで、逃げたグァンチャーレでさえ上がり3ハロン32.5秒を記録しています。これだけ前が止まらない展開だと、中団や後ろにいる馬は切れ味に自信があったとしても厳しくなりますね。
天皇賞・春でここまでの上がり勝負にはならないでしょうが、フィエールマンもある程度は前にいたいところだと思います」(同)
実際に先週のマイラーズCで7番手を進んでいたストーミーシーは、上がり3ハロンでメンバー最速となる32.0秒の”鬼脚”を発揮したが、5着まで追い上げるのがやっとだった。
上がり勝負の傾向が強い天皇賞・春だが、実は過去10年で4コーナー10番手以下から差し切ったのは、昨年のレインボーラインだけ。勝ち馬10頭中8頭が4コーナーで5番手以内の射程圏におり、例外となるヒルノダムールも早めに動いて6番手まで押し上げている。
過去10年で1番人気は1勝止まり。末脚自慢のフィエールマンだが、あまり悠長に構えていると足をすくわれるかもしれない。「距離はまったく心配していない」と話すC.ルメール騎手の手腕がカギを握りそうだ。