JRAヴィクトリアマイル(G1)「穴の中心」デンコウアンジュが柴田善臣とともに「もうひと花」咲かせる条件
春の東京競馬5週連続G1開催の2週目はヴィクトリアマイル(G1、芝1600メートル)。デンコウアンジュ(牝6歳、栗東・荒川義之厩舎)について検討する。
デンコウアンジュは前走の福島牝馬S(G3、芝1800メートル)を快勝した。直線が短いこともあって鞍上蛯名正義騎手のダノングレースが3角からロングスパートを開始。鞍上柴田善臣騎手のデンコウアンジュは一緒に動かず、やり過ごしてから直線でスパート。一気に先頭に立ち、2着フローレスマジックに2馬身半差をつけた。
4走前のキャピタルS(オープン、芝1600メートル)は6着、3走前のターコイズS(G3、芝1600メートル)は3着、2走前の中山牝馬S(G3、芝1800メートル)は4着だったが、いずれも勝ち馬から0.1秒差の競馬。しかも、上がり3Fはほとんど最速を記録している。このところの好調さが福島牝馬Sの圧勝につながったと言える。ヴィクトリアマイルも好走できるのだろうか。
「デンコウアンジュは2歳時にアルテミスS(G3、芝1600メートル)で圧倒的な1番人気メジャーエンブレムを負かして優勝しています。このときは単勝82.8倍の12番人気でした。メジャーエンブレムはその後、阪神JF(G1、芝1600メートル)を勝ち、桜花賞では大本命になります。このアルテミスS以来、穴党にはデンコウアンジュファンが多いんですよ。しかし、3歳時は一度も連に絡めませんでした。
変わり身を見せたのが一昨年、4歳時の福島牝馬Sです。鞍上の秋山真一郎騎手は向正面半ばからまくって直線で先頭に立ち、あわやという見せ場を作りました。結果は4着でしたが、これを見たデンコウアンジュファンの多くは”ヴィクトリアMは買える!”と思ったのです。実際にデンコウアンジュはヴィクトリアMで2着に入り、馬連が4万円、3連複が13万円、3連単が92万円という波乱になりました。
今年は福島牝馬Sを優勝しているだけにそこそこ人気になるでしょうが、デンコウアンジュファンは今年も、一昨年のような大駆けを楽しみにしていることでしょう」(競馬雑誌ライター)