JRA安田記念(G1)「復活」モズアスコット連覇は? 鍵を握るは「新星騎手」
6月2日に行われる安田記念(G1、芝1600メートル)。最強牝馬アーモンドアイと最強マイラーダノンプレミアムの直接対決に注目が集まっている。この2強に割って入る走りが期待されるのが、昨年の王者モズアスコット(牡5歳、栗東・矢作芳人厩舎)だ。
モズアスコットは昨年、阪急杯(G3、芝1400メートル)で2着。続くマイラーズC(G2、芝1600メートル)では先行するもサングレーザーの末脚に屈する形で2着に終わった。
陣営は安田記念への出走を目指すも、登録馬の中での賞金順位は19番目。このまま回避する馬がでなければ出走が不可能となる。そこで、安土城S(オープン、芝1400メートル)を勝って賞金を加算し、安田記念に連闘で向かうことを選択した。
だが、安土城Sでは主戦のC.ルメール騎手ではなく、矢作厩舎所属の坂井瑠星騎手で参戦するも、ダイメイフジにクビ差届かず2着。目論見がはずれてしまう。
結局、回避した馬が出たため無事に出走できることになったが、2着が3回続くなど勝ちきれない競馬をしていたことや連闘が影響したのか、ルメール騎手に手綱が戻ったものの、モズアスコットは9番人気という低評価を受けていた。
レースでモズアスコットは後方から競馬を展開して脚をためる。最後の直線ではアエロリット、スワーヴリチャード、サングレーザーらが横に大きく広がり、一進一退の攻防が繰り広げられた。そして先を行くスワーヴリチャードが外に寄れた間隙を突いて、モズアスコットが鋭く進出。先頭のアエロリットをクビ差で交わしてG1初勝利を達成した。
その後、休養に入ったモズアスコットは秋の初戦としてスワンS(G2、芝1400メートル)を選択。そこを”いつものように”2着で終えると、マイルCS(G1、芝1600メートル)に駒を進めた。マイルCSでは春の安田記念とは違い、1番人気に支持されたものの、まさかの13着と大敗。ルメール騎手は「4コーナーでぶつけられて、レースが終わってしまった」と嘆き、管理する矢作調教師は「不利が全て。やってられないよ」と不満を吐露していた。