【JRA安田記念】アーモンドアイの足を引っ張る3つの不安要素。ルメールはこの逆境を乗り越えられるか?
■不安要素C ~馬場・展開・斤量~
最後に馬場と展開、そして斤量についても触れておこう。先週までの傾向を見ても、今の馬場はCコースに変わった影響でインコースの先行馬が有利な状況。そしてレコードタイムが頻繁に飛び出す高速馬場で、追い込み馬には厳しい条件だ。アーモンドアイが過去に走ったマイル戦は、すべて中団から後方待機のレース。ジャパンCやドバイターフのように、先行馬を見る形で前に付けられれば安心できるが、昨年の桜花賞以来となるマイル戦で、スムーズに先行集団にとりつくことができるかは未知数。しかも今回は7枠14番と外目の枠を引いたので、後方から直線は大外に出す競馬になりそう。2016年の安田記念で、逃げたロゴタイプを最後まで差せなかったモーリスと被るのは決して気のせいではないだろう。
加えてデビュー以来初めて背負う56kgの斤量が、あの豪脚にどの程度影響するのかも考慮すべきだろう。牝馬で安田記念を制したのは2009年のウオッカが最後。そのウオッカにしても、安田記念を勝利する前に56kgの斤量を経験しているのだ。アーモンドアイはウオッカよりも一回り馬体が小さく、この斤量が影響しないとはいえまい。
先週に続きインコースの先行馬が有利の馬場状態で、アーモンドアイのような追い込み馬には不向きな高速馬場。そして騎乗停止を恐れたルメールが、無理をせず後方待機から内を突かず大外に持ち出す展開となった場合、初めて背負う56kgが影響して最後の最後で届かないという状況が浮上する。この安田記念、実績そのままにアーモンドアイを評価するのは危険といえるだろう。