JRA日本ダービー「65年継続の謎」ロジャーバローズ浜中俊騎手が語る、大本命サートゥルナーリア「敗因」
「一番は1コーナーまでのスピードの乗せ方ですね。前走で操縦性が高いこともわかっていましたから、加減の想像もついて、アプローチがしやすかったです」
逃げ馬にとって最も大事なのはレース序盤、スタートから各馬の隊列が決まるまでの「ほんの数秒」だ。
そこで楽にハナに立ちレースの主導権に握れば、しばしば圧倒的なパフォーマンスを見せる一方、逆に出遅れたり他馬に絡まれるなど、ポジションを確保するまでに無理が重なれば、大敗を覚悟しなければならない。
だからこそレース序盤のアプローチは、逃げ馬にとっての生命線といえる。
「前走の京都新聞杯(G2)で初コンビを組んだロジャーバローズと浜中騎手ですが、一度しっかりと逃げるレースをしたことで、馬の能力も然ることながら『これくらい促せば、これくらい加速する』加減を掴めたことが大きかったのではないでしょうか。
対談の中で藤岡佑騎手が、もし自分がテン乗りならリオンリオンをけん制してハナを奪い、もっとハイペースになっていたと話していました。ですが一度『経験』している浜中騎手は2番手からでも十分能力を発揮できることを理解して、無駄のない最低限の力でポジションを確保できたことが、最後の驚異的な粘りに繋がったと思います」(競馬記者)
大本命のサートゥルナーリアが敗れたことで、改めてクローズアップされたテン乗りの難しさ。どんなデータやジンクスもいつかは破られる宿命にあるが、果たして日本ダービーのジンクスはどこまで続くだろうか。