JRA「仕上げ懸念」タワーオブロンドンが短距離でどうか……ライバルには「常先着」
16日に開催される函館スプリントS(G3、芝1200メートル)に重賞3勝の実績を誇るタワーオブロンドン(牡4歳、美浦・藤沢和雄厩舎)が出走する。初めての1200メートル戦を克服できるのだろうか。
タワーオブロンドンの今年初戦は東京新聞杯(G3、芝1600メートル)だった。すんなりと好位につけ、直線では内目から抜け出しを図ったが思うように伸びず、ゴール前では失速気味となり5着が精一杯だった。ところが、距離を短縮した前走の京王杯SC(G2、芝1400メートル)では直線で追い出されると、抜群の加速力を見せて先頭でゴールイン。2着馬との着差は3/4馬身ながら、着差以上に余裕のある勝ち方だった。
2歳時には1400メートルの京王杯2歳S(G2)で重賞初制覇、3歳時にはマイルのアーリントンC(G3)で2つ目の重賞を優勝している。とはいえ、4歳となった今年の東京新聞杯と京王杯SCを見比べると、マイルより1400メートルのほうが適正は高そうだ。しかし、日本に芝1400メートルのG1レースはない。さらに距離を短縮して函館スプリントSに出走してきたのは、秋のスプリンターズS(G1、芝1200メートル)を目標に設定したということだろう。
「タワーオブロンドンのスプリント戦線への参加は実に楽しみですね。世界のスプリント王ロードカナロアが引退して以来、スプリント路線は手薄な状態が続いてきました。しかし、タワーオブロンドンにはスプリント戦の絶対王者になれる可能性があります。なにしろ、これまで1200メートルは走ったことがないのですからね(笑)。
藤沢和雄厩舎は昨春、タワーオブロンドンとファストアプローチをイギリスで6月に行われるセントジェームズパレスS(G1、芝1590メートル)に登録しました。このとき実は、タワーオブロンドンをスプリント戦のコモンウェルスC(G1)にも登録しているんです。このことから、藤沢調教師は当時からタワーオブロンドンのスプリント能力に期待していたことがわかります。