JRA種牡馬「戦国時代へ」ディープインパクト後継不安、キンカメ後継有力、そして新種牡馬たちへの期待
ただ、この2頭はあくまでも「キングカメハメハ産駒の後継筆頭」といえる存在で、どちらもサンデーサイレンスの血が入っていない。それだけに、ディープインパクトの死によって需要が劇的に変わる、ということはないかもしれない。欧州血統である8位ハービンジャーもそれは同じだろう。
「サンデーの血」という側面で見れば、サンデー産駒であり安定したマイラーを中心に輩出する6位ダイワメジャーの需要は増えるかもしれない。が、これまたハーツクライと同い年である。それ以外では11位オルフェーヴル、13位キンシャサノキセキ、14位ヴィクトワールピサ、17位ジャスタウェイ、19位ブラックタイドあたりがサンデー系の有力だが、みな目の覚めるほどの実績は残せてはいない状況だ。それでも需要はある程度分散されて増すものとは思われるが……。
こうなると、やはり期待がかかるのが「ディープインパクト産駒」の後継だ。今年産駒デビューしたキズナ、リアルインパクトはなかなか良質なスタートを切っている印象だが、その前に種牡馬入りしたディープブリランテは思うような活躍ができていない。ディープインパクト産駒の「後継不足」もまた、今後の種牡馬リーディングを考える上での重要なファクターだ。まだ産駒が出ていないリアルスティール、ダノンプレミアムやワグネリアン、フィエールマン、その他G1を勝つ現役産駒にも注目が集まることだろう。そして、今後デビューする残されたディープインパクト産駒の存在もまた重要だ。
来年には「父キングカメハメハ×母父サンデーサイレンス」でクラシック2冠馬のドゥラメンテ、アジア最強中距離馬でサンデーの血も入るモーリスの産駒がデビューする。この2頭への期待値が大きいだけに、活躍次第で種牡馬リーディングが激変しそうだ。
競馬界の「支配者」だった2頭が戦線からいなくなった。競馬ファンとしては気持ちの切り替えが至難な状況ではあるが、やはりこれから先の「変化」も気になるところだ。