JRA「最強サウスポー?」ケイデンスコール有力動かず。アドマイヤマーズ以外には……

※画像:ケイデンスコール/『競馬つらつら』より

 8月11日、夏の新潟伝統のマイル戦、関屋記念(G3、芝1600メートル)が行われる。NHKマイルC(G1、芝1600メートル)で2着に好走したケイデンスコール(牡3歳、栗東・安田隆行厩舎)について検討しよう。

 日本ダービー(G1)が終われば3歳馬は3歳限定戦以外では4歳以上の古馬と混じって走る。能力的に見どころがあれば、斤量の恩恵がある3歳馬を積極的に狙うのがセオリーだ。昨年の関屋記念はNHKマイルCで5着だった3最牝馬プリモシーンが1番人気で優勝、今年の中京記念(G3、芝1600メートル)ではNHKマイルCで10着だったグルーヴィットが優勝している。

 ケイデンスコールはこれまで6戦して全成績は次のようになる(最後のカッコ内は1着馬または2着馬)。

中京 新馬戦(芝1600メートル) 2着(アドマイヤマーズ)
新潟 未勝利戦(芝1600メートル) 1着(シャドウセッション)
新潟 新潟2歳S(G3、芝1600メートル) 1着(アンブロークン)
阪神 朝日杯FS(G1、芝1600メートル) 13着(アドマイヤマーズ)
阪神 毎日杯(G3、芝1800メートル) 4着(ランスオブプラーナ)
東京 NHKマイルC(G1、芝1600メートル) 2着(アドマイヤマーズ)

 これを見てわかることは、なんのことはない新馬戦の結果とNHKマイルCの結果が同じであること。新馬戦はアドマイヤマーズにハナ差まで迫った2着だったが、NHKマイルCではアドマイヤマーズに半馬身離された2着だった。

 もう1つわかることはケイデンスコールが無類の左回り巧者であること。アドマイヤマーズの2着だった2戦は中京と東京の左回りコースであり、それ以外の左回りコースは新潟で2戦2勝と完璧だ。ただし、NHKマイルCで2着だったからといって、古馬との混合戦でも能力的に通用すると見るのは早計だ。NHKマイルCは上位に入線した馬がそのまま実力馬に成長するとは限らないレースだからだ。

 昨年のNHKマイルC覇者ケイアイノーテックがいい例だ。NHKマイルC優勝以降、勝利はおろか連にも絡めていない。一方、昨年4着だったミスターメロディは今年の高松宮記念(G1,芝1200メートル)を優勝しているが、マイルより短い距離のほうが適正が高かったということだ。プリモシーンの例でもわかるように、3歳春に行われるNHKマイルCは着順がそのまま能力を表しているとは言えない。

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