JRA札幌記念(G2)フィエールマン「距離不安」は? 凱旋門賞前哨戦で見る本質
このように叩き合いに持ち込みさえすれば素晴らしい勝負根性を発揮、着差はわずかであっても必ず勝利している。ラジオNIKKEI賞とアメリカJCCの敗因が明らかなだけに、2000mの札幌記念でも体調が整っていれば勝ち負けに持ち込んでくれるだろう。1週前追い切りに跨ったC.ルメール騎手は「休み明けを心配していたけど、フットワークは良かったし、いい反応で息が入っていた」と手応えをつかんでいる。
今、フィエールマンは函館に入厩している。レース前日に札幌競馬場に移動する予定だ。これはヨーロッパで凱旋門賞に挑むにあたっての移動(輸送)の練習でもある。イギリスのニューマーケットで調教して、凱旋門賞前日にロンシャンに入る予定だからだ。ニューマーケットには坂路などの施設もあり、日本と同じような調教を行える。北海道内での移動とイギリスとフランスの移動では異なる部分も少なくないが、輸送に慣れるという意味では新鮮なチャレンジだ。
母がヨーロッパで活躍したリュヌドールという血統を持つフィエールマンはディープインパクト産駒にしては豊富なスタミナを持っている。ここ数年では凱旋門賞で最も期待できる1頭と言える。日本産馬初の凱旋門賞制覇を達成するためには、まずは札幌記念を優勝しなければならない。