【小倉2歳S(G3)展望】JRA川田将雅重賞5連勝も!? 夏の終わりの2歳重賞でも期待
9月1日、夏の小倉は最終日を迎え小倉2歳S(G3、芝1200メートル)が開催される。レースを展望しよう。
7月の新馬戦(芝1200メートル)で2着馬に4馬身差をつけて快勝したのがカイルアコナ(牝2歳、栗東・高橋義忠厩舎)。コーナーの通過順表記だけなら3コーナーも4コーナーも先頭なので、単純な逃げ切りに見える。しかし、スタートからハナを奪ったわけではなく、サンデーパームスやローランダーに先に行かれている。3コーナーでようやく先頭に立ったが再びローランダーに絡まれ、単騎の逃げに持ち込んだのは4コーナー手前から。直線に向くや後続を突き放した。
並みの先行馬であれば崩れても仕方のない展開で圧勝できたのは母系に流れる血統だろう。4代母バレークイーンは日本ダービー馬フサイチコンコルドの母であり、この系統からは多くの名馬が出ているが、一昨年の日本ダービー3着馬アドミラブル、小倉2歳Sと同日に行われる新潟記念(G3)の伏兵フランツなどもいる。
鞍上予定は川田将雅騎手。目下、クイーンS(G3)のミッキーチャームから先週のダノンスマッシュまで重賞騎乗機会4連勝中だ。今回も出すべきときには出していく積極的な騎乗に期待したい。
福永祐一騎手にJRA通算2100勝をプレゼントしたのがラウダシオン(牡2歳、栗東・斉藤崇史厩舎)。新馬戦(芝1200メートル)は2、3番手からの競馬で直線では楽に抜け出した。父リアルインパクトはディープインパクト産駒だが、3歳時に安田記念(G1、芝1600メートル)を勝っているように短距離からマイル路線で活躍馬を出しそうだ。鞍上予定は武豊騎手。勝てば一昨年のアサクサゲンキ、昨年のファンタジストに続き小倉2歳Sを3連覇する記録がかかる。
鞍上福永騎手で新馬戦(芝1200メートル)を鋭い脚で差し切ったのがヒバリ(牝2歳、栗東・加用正厩舎)。先行勢がもつれる展開になれば一発を秘めている。今回も福永騎手が継続騎乗の予定。ヒバリの父はエピファネイアの主戦は福永騎手だった。ここで勝ち負けできれば距離が伸びても楽しみな1頭だ。
トリプルエース(牡2歳、栗東・斉藤崇史厩舎)も差し決着を望みたい1頭。新馬戦(芝1200メートル)ではスタート後に引っかかる面も見せていたが、中団で折り合うと直線では上がり3F最速の末脚で快勝した。外国産の輸入馬ではあっても母の父はサンデーサイレンス。さすがはゴドルフィンという異色の血統だ。
小倉にはフェニックス賞(オープン、芝1200メートル)という2歳の交流競走があり、2着以内に入線した地方馬は小倉2歳Sの優先出走権が与えられる。今年はミスカゴシマというチャーミングな名前の地方馬が出走したが6着に敗れてしまった。
優勝したのは3番手から競馬をしたマイネルグリット(牡2歳、栗東・吉田直弘厩舎)で、ほぼ同じ位置からレースをしたゼンノジャスタ(牡2歳、栗東・浅見秀一厩舎)がマイネルグリットと1馬身1/4差の2着。逃げたヒメサマ(牝2歳、栗東・梅田智之厩舎)はマイネルグリットとハナ差の3着だった。
例年、素質馬が集まるレースではないので結果を重視しすぎるべきではないが、マイルの新馬戦とスプリントのフェニックス賞を連勝したマイネルグリットには注目しておくべきだ。人気がなければ積極的に狙う手もある。