【京成杯AH(G3)展望】大混戦のハンデ戦!秋の中山最初の主役は?
開幕週の8日(日)に、中山競馬場で行われる京成杯AH(G3)。今年も秋のマイル戦で飛躍を目指す馬たちが集結した。
新星グルーヴィット(牡3歳、栗東・松永幹夫厩舎)が、満を持して登場する。
ファルコンS(G3)で2着に入ると、NHKマイルC(G1)へ。D.レーン騎手が騎乗することもあり、4番人気と人気を集めたが、まさかの10着と大敗。レース後、レーン騎手は「直線では前が壁になり、フルスピードを出せませんでした」といい、「能力はあるので、このクラスでも十分やれます」と明かした。
そして夏の中京記念(G3)に出走。そのレーン騎手の言葉を証明するかのように、ラストまでしぶとく伸び、昨年の朝日フューチュリティS(G1)2着のクリノガウディーをハナ差で退け、古馬重賞で見事な勝利を収めた。
1週前追い切りは一杯に追われて、CWコース6F83秒3、ラスト1F12秒6をマーク。松永幹調教師は「馬体にさらに幅が出て、よりマイラーの体型になってきた」と成長を語る。
ここを勝ち、有力馬が揃うマイル戦線に殴り込みをかけることができるか。
クリノガウディー(牡3歳、栗東・藤沢則雄厩舎)が、グルーヴィットにリベンジを狙う。
昨年の朝日フューチュリティSでは中団追走から、後の桜花賞馬グランアレグリアに先着して2着。一躍クラシック候補として考えられるようになった。
だが右後肢を痛めたため、シンザン記念(G3)を回避。これで歯車に狂いが生じたのか、スプリングS(G2)を6着で終えると、皐月賞(G1)16着、NHKマイルC(G1)14着とともに惨敗。けんもほろろに春を終えた。
そして夏は休養に当てるのではなく、中京記念で早めの始動。レースでは中団追走から脚を伸ばして、勝ち馬グルーヴィットとほぼ同時に入線した。2着と敗れはしたものの、ヴィクトリアM(G1)で2着など一線級の実力を持つプリモシーンらに先着。その能力の高さを証明してみせた。
今回は同世代のグルーヴィットと再戦。同じ相手に2度負けるわけにはいかないだろう。
古豪プロディガルサン(牡6歳、美浦・国枝栄厩舎)は重賞初勝利なるか。
昨年、準OP戦を勝ち、久しぶりにOPクラス入りを果たしたプロディガルサン。初戦のキャピタルS(OP)こそ5着に終わったものの、ディセンバーS(OP)、六甲S(L)、谷川岳S(L)と3戦連続で2着に入った。
そして前走のエプソムC(G3)では、絶好調のレーン騎手を鞍上に迎えて3番人気に支持される。だが勝利も期待された一戦で6着。重賞初制覇はお預けとなっていた。
ドバイターフ(G1)を勝ったリアルスティールの全弟にあたるプロディガルサンには、早くから大きな期待がかけられていた。だが、その兄とは違い重賞を勝つことができず、すでにキャリアも終盤を迎えている。ターフを去るまでに重賞で大輪の花を咲かせることができるのだろうか。