【セントライト記念(G2)展望】無敗ザダルVS未完の大器ルヴォルグ! 重賞勝ちリオンリオン、ニシノデイジーら実績組が意地を見せるか
そんなルヴォルグと並ぶ大器と言われているのが、プリンシパルSを勝ったザダル(牡3歳、美浦・大竹正博厩舎)だ。
果たして、どこまで強いのか。マイナーなトーセンラー産駒ということもあり、デビュー戦から7番人気の低評価だったザダルだが、その評価を覆す逃げ切り勝ち。さらには続く500万下、そしてプリンシパルSと、ここまで負け知らずの3戦3勝である。
しかし一方、その着差は3戦ともクビ差の接戦。ギリギリの勝ち上がりだが、無類の勝負強さを持っているともいえる。
本来なら日本ダービーにも出走していたはずの存在だが、今年は悪天候のためにプリンシパルSが順延になったことで、陣営は大事を取ってダービー回避を決断。無敗の大器ザダルが、満を持してクラシックへの階段を登る。
実績No.1として、このメンバーには負けられない。重賞2勝のニシノデイジー(牡3歳、美浦・高木登厩舎)が3つ目のタイトルを狙っている。
2歳時には札幌2歳S(G3)、東京スポーツ杯2歳Sと重賞を連勝。暮れのホープフルS(G1)でも3着と、クラシック路線の有力候補だったニシノデイジー。しかし、1番人気で迎えた弥生賞(G2)で4着に敗れると、続く皐月賞(G1)では17着に大敗。早熟説も浮上していた。
しかし、前走の日本ダービーでは後方から、上がり3ハロン第3位の末脚で久々にこの馬らしい走り。5着に健闘し、復活を印象付けた。始動戦となるセントライト記念では頭一つ抜けた実績だけに、負けられないレースになりそうだ。
貴重な経験を経たランフォザローゼス(牡3歳、美浦・藤沢和雄厩舎)は不気味な存在だ。
春は青葉賞2着から日本ダービーに出走。7着に敗れたが、見せ場のある競馬だった。そんなランフォザローゼスは8月の札幌記念(G2)で一足早く始動。凱旋門賞(G1)出走を目指すブラストワンピースら一流古馬との初対決となったが、道中で位置取りを下げる不利もあり、14着に大敗している。
しかし、札幌記念の結果が、そのままこの馬の力でないことは明らか。一流古馬に揉まれた経験は、ここでは小さくはないアドバンテージ。叩き2走目で変わってくるか。
他にも弥生賞馬のメイショウテンゲンや、すみれS(OP)勝ちのサトノルークス、3連勝中のオセアグレイト、同じく連勝中のレッドサイオン、高い素質を見せるサトノラディウスなど、伏兵陣にも大きな差はない。
菊花賞の優先出走権を得て、最後のクラシック一冠へ駒を進めるのは実績組か、上がり馬か。セントライト記念は16日(月)、中山競馬場で15時45分に発走を迎える。