JRA日本代表ディアドラに愛チャンピオンS(G1)勝機アリ!? 世界的名牝マジカル撃破の鍵は「ナッソーS(G1)制覇」の本当の理由
14日に、アイルランドのレパーズタウン競馬場で行われるアイリッシュチャンピオンS(G1、以下、愛チャンピオンS)は、今や世界を代表する最高峰のレースの1つだ。
ここ10年の勝ち馬は、そのまま凱旋門賞(G1)も連勝して世界の頂点に駆け上がったシーザスターズ、ゴールデンホーンを筆頭に、昨年の勝ち馬ロアリングライオンは欧州年度代表馬に選出されるなど、歴史的名馬がずらりと並ぶ。
今年は、出走予定だった「世界No.1評価」のクリスタルオーシャンが引退し、急上昇中の3歳馬ジャパンも同レースを回避。やや格落ちしたものの主役のマジカルは、今年になってクリスタルオーシャンと、凱旋門賞連覇中のエネイブルにしか負けていないのだから最上位は揺るがない。
他にも、今年の英ダービー(G1)で1、2着だったアンソニーヴァンダイク、マッドムーン。3連勝中のヘッドマン、5度のG1・2着があるマジックワンドなど、8頭立てながらハイレベルなメンバーが揃った印象だ。
そういった中、日本を代表して挑戦するディアドラ(牝5歳、栗東・橋田満厩舎)も、前走G1勝ちの勢いに乗っている。
英国のグッドウッド競馬場で行われた前走のナッソーS(G1)勝利は、日本競馬にとって、まさに歴史的な快挙だった。
愛チャンピオンSほどの知名度や格はないが、ゴール前で最後まで粘っていた2着馬メダーイーはG1勝ちこそないものの、今年の英オークス(G1)で1番人気に推されたほどの素質馬。他にも英、愛1000ギニー(ともにG1)を制し、欧州3歳牝馬No.1マイラーのハモーサ、仏オークス馬チャネルなどトップクラスの3歳牝馬が出走しており、決して楽なメンバーではなかったはずだ。
あれから約1カ月。肝心の状態面はO.マーフィー騎手が「いい準備ができた。状態は前走と同様に、とてもいい」と声を弾ませるほどの好調ぶり。橋田調教師も「状態をキープできている」と異国の調整に自信を深めているようだ。
相手は強いが、充実一途のディアドラなら好勝負になってもおかしくはない――。だが、それ以上にこの日本が誇る名牝の鍵は、現地の馬場状態が握っているという。