天皇賞・秋(G1)「何故」サートゥルナーリアは沈んだのか? アーモンドアイ「進路妨害」厳しさ見せるも、乗り越えられなかった「春の課題」
3歳No.1にとって、課題が残る敗戦となった。
27日、東京競馬場で行われた天皇賞・秋(G1)はアーモンドアイが優勝。2番人気に推されたサートゥルナーリア(牡3歳、栗東・角居勝彦厩舎)は、好位から伸びあぐね6着に沈んだ。
こんなはずではなかった。迎えた最後の直線サートゥルナーリアは逃げるアエロリットの直後という、最高の位置取りだった。課題のスタートも安定し、後の菊花賞馬ワールドプレミアら同世代をちぎり捨てた前走・神戸新聞杯(G2)を彷彿とさせるような競馬。
代打C.スミヨン騎手のエスコートは完璧で、あとはアーモンドアイとの力勝負になるはずだった。
「うーん……伸びませんでしたね。アエロリットが逃げたもののスティッフェリオが競り掛けなかったことで、1000m通過が59.0秒。神戸新聞杯ほどではないにせよ、楽に追走できたはずなんですが……」(競馬記者)
前走・神戸新聞杯では、最後の直線で早々に先頭に立つ横綱相撲。2番手から上がり3ハロン最速となる32.3秒の脚を使われては、後続はお手上げ。日米オークス馬シーザリオの最高傑作が、ついに本格化を迎えたと思われた。
そして、今回も“必勝パターン”に持ち込んだかに見えたが……やはり「春の課題」を克服できなかったようだ。
「レース後、スミヨン騎手が『ゲートに入る前からカッカして、ずっと力みっぱなし』と振り返っていたように、大歓声に落ち着きを失ってしまっていたようです。
これは、ここまで唯一の敗戦となっていた春の日本ダービー(G1)と同じパターン。スタートこそ出遅れませんでしたが、『芝の色が変わった部分で驚いたり、落ち着きがなかった』とスミヨン騎手が話している通り、すでに平常心を失っていたようです」(同)
今回の天皇賞・秋と、春の日本ダービーの共通点といえば東京競馬場、そして大観衆だ。約11万人の観衆となった日本ダービーに続き、今回も超豪華メンバーとあって東京競馬場には約10万人のファンが集結。レース前、そしてレース中も大歓声に包まれた。
「実は、日本ダービーの時は東京競馬場に着いた時点から、かなりナーバスになっていたようです。今回は2回目の輸送ですし、スタンド前発走だったダービーと比べれば、かなりマシな状況だったはずですが……。この結果を見ると、課題克服というわけにはいかなかったようですね」(別の記者)