JRAエリザベス女王杯(G1)M.デムーロ「一度負けたらクビになる時代」。無敗ラヴズオンリーユー万全も、かつての勝負強さなし
6日、今週末に京都競馬場で行われるエリザベス女王杯(G1)に向け、無敗のオークス馬ラヴズオンリーユー(牝3歳、栗東・矢作芳人厩舎)が最終追い切りを行なった。
「鞍上は何もしなくていい――」
「不動」こそが、万全の証だ。栗東の坂路で最終追い切りを行なったラヴズオンリーユーだが、まさに完全なる馬なりで4ハロン55.3秒。ラストも13.1秒と、鞍上の手は最後まで動かなかった。
5月のオークス以来、約半年ぶりのレースとなるが、矢作調教師は「ここ1カ月、非常に順調に予定通りの調教メニューをこなせた」と胸を張る。すでに万事を尽くし、管理馬を万全の状態に仕上げた自負があるからこそ、最終リハはこれ以上何もする必要がないという決断を下した。
「腱の炎症で予定されていた秋華賞(G1)を回避したラヴズオンリーユーですが、幸い症状は軽く、大事を取った格好。十分な調整期間があった分、馬は万全です。
主戦のM.デムーロ騎手を乗せた1週前追い切りの動きは素晴らしかったですね。“あれ”を見せられたからこそ、極めて軽い今週の追い切り内容も頷けますよ。夏を越して一回り成長した印象。まず間違いなく馬体増で本番を迎えることになると思いますが、成長分と見ていいでしょう」(競馬記者)
無傷の5連勝へ向け、態勢は整ったか。ならばこそ、ここで何としても自身の「負の流れ」を断ち切りたいのが、主戦のデムーロ騎手だ。
勝って大一番を迎えたかったはずだ。4日に浦和競馬場で行われたJBCクラシック(G1)は、最後の直線で川田将雅騎手の1番人気チュウワウィザードと、デムーロ騎手の2番人気オメガパフュームの一騎打ち。
ゴール後、勝利を確信したデムーロ騎手は馬上で“禁断”の飛行機ポーズまで決めたが、写真判定の結果、ハナ差で勝利したのは前者だった。
「ゴール前での手応えはオメガパフュームの方にありましたので、デムーロ騎手としても相当勝った感触があったのだと思います。写真判定が出た際は呆然としていましたし、結果を受け入れられない様子でしたね。
あれだけ勝負強い騎手が、今年は5月のオークスからずっと重賞を勝てていませんし、ここで悪い流れを断って、久々の美酒に酔いたかったはずですよ」(別の記者)