JRA武豊「警鐘」空しくジャパンC(G1)「外国馬ゼロ」で意義消失……日本競馬が「世界から否定された日」と、「的外れ」なJRA理事長の見解
来るべき時が来た、ということだろうか。
9日、JRA(日本中央競馬会)は、今年のジャパンC(G1)に外国馬が来日しないことを発表。同レース史上、初めて日本馬だけのレースとなることが決まった。
「世界に通用する強い馬づくり」を合言葉として1981年に創設されたジャパンC。競馬の国際化に向け、日本を代表する国際レースとして39年の歴史を紡いできたが、ついにその存在意義を失ってしまった。
「当初は英国馬プリンスオブアランが唯一、出走を表明していましたが、普段使っている馬装具が日本で使えないことが枷となって出走を断念。ジャパンCとしては、史上初の外国馬ゼロとなってしまいました。
近年、JRAが外国馬の招集に苦戦していた傾向を鑑みれば『いつかこんな時が来る』というのは、競馬関係者の共通認識。ジャパンCの外国馬出走は2016年から3頭、4頭、2頭と、そして今年ついに0となってしまいましたが、非常に深刻な事態と言えます。言わば『日本競馬が世界から否定された日』と述べても、決して過言ではないでしょう」(競馬記者)
この件を受け、JRAの横田貞夫国際担当理事は「ジャパンCに外国馬の出走がなくなったことについて、非常に残念に思います。今回の結果を十分に検証し、今後のジャパンCを盛り上げることができるよう努力してまいりたいと思います」とコメント。残念ながら、具体的な改善策が示されることがなかった。
「まるで突然起こったアクシデントに対応するようなコメントだね。確かにプリンスオブアランが出走辞退したのは今日だけど、仮に出走していても1頭でしょ? 日本を代表する国際レースとして『そういう問題じゃない』と言いたいよ。もっと早くできることがあったんじゃないかな」(現場関係者)
実際に、ジャパンCの外国馬問題は以前からJRAでも懸念されており、後藤正幸理事長は年始の『スポニチ』のインタビューに応じ、昨年のジャパンCに外国馬がわずか2頭しか参戦しなかった事実などについて「それでいいんだという気はありません」と、改めて危機感を示していた。
「ただ、そのインタビュー内で後藤理事長が挙げた対策案が『褒賞金制度のさらなる改善』だったことにはガッカリしました。『ソコじゃないだろう』と……。
実際にジャパンCはこれまで多額の賞金を上乗せしてきましたし、現在は外国馬が出走するだけで10万米ドル(約1120万円)の褒賞金が支給されるという異常な優遇……。JRAはそれでも世界から『ノー』を突き付けられた状況を重く受け止めるべきだと思います」(別の記者)