【チャンピオンズC(G1)展望】武豊インティVS怪物クリソベリル! 新旧ダート王に世界の名手がコラボレーション!
史上初の外国馬出走ゼロが話題を呼んだジャパンCだが、1日に中京競馬場で行われるチャンピオンズC(G1)は、すでに国内ダート最強馬決定戦という位置付けに収まっている。今年も例年通り外国馬の出走はないが、日本ダートの頂点を狙う強豪が集った。
中心は、無敗の若き怪物クリソベリル(牡3歳、栗東・音無秀孝厩舎)だ。
宝塚記念やエリザベス女王杯を勝った女傑マリアライトの弟として、デビューから注目を集めていたクリソベリル。だが、父がダート王のゴールドアリュールに替わったことでダート色が強く出た。とはいえ、全兄にダートG1・2勝のクリソライト、叔父にジャパンカップダートの覇者アロンダイトと、ダート馬としても血統背景は超一流だ。
その期待に応えるように、デビューから5連勝。それも単勝はすべて1倍台、5戦合計26馬身差と、ここまで圧倒的なパフォーマンスを見せている。
特に前走の日本テレビ盃(G2)は、3歳王者として初の古馬との対決となったが、好位から早め先頭に立つ競馬で後続を突き放す一方。昨年のコリアCの覇者ロンドンタウンに4馬身差と、その実力が古馬トップクラスに十分通用することを証明した。
栗東の坂路で行われた1週前追い切りでは4ハロン52.2秒、ラスト12.8秒で併せ馬にも先着。見守った音無調教師も「いい感じできている。きっちりと成長している」と好感触。今回は初の超一線級との戦いになるが、ここで止まる器ではないはずだ。鞍上は主戦の川田将雅騎手が務める。
迎え撃つ古馬陣で最も注目を集めているのが、L.デットーリ騎手とコンビを組むオメガパフューム(牡4歳、栗東・安田翔伍厩舎)だ。
昨年のチャンピオンズCは出遅れも響いて4番人気で5着。しかし、この馬が本格化を遂げたのは、ここからだ。続く東京大賞典でG1初勝利を飾ると、今年に入って帝王賞でG1・2勝目。前走のJBCクラシックは惜しくも2着だったが、ハナ差の接戦だった。
3つ目のビッグタイトルへ、カギを握るのは、やはり世界的名手デットーリ騎手に違いない。
今回は8年ぶりの来日となったが、いきなり勝利を上げるなど、早くも天性の勝負強さを見せている。デットーリ騎手はチャンピオンズCまでの短期免許。過去、日本の競馬ファンへ数々の伝説を残したように、またも日本に大きなサプライズを残せるか。
そのオメガパフュームをJBCクラシックで破って、G1初制覇を決めたのがチュウワウィザード(牡4歳、栗東・大久保龍志厩舎)だ。
デビューこそ年明けになったが、ここまで13戦して8勝2着3回3着2回の複勝率100%で、順調に階段を上がってきたチュウワウィザード。特にここ1年は、連対さえ外していない充実ぶりだ。
特筆すべきは、やはり前走のJBCクラシックか。3コーナーから早めに先頭に立つと、そのまま押し切り。オメガパフュームの猛追を凌いで、帝王賞2着の借りを返している。栗東のCウッドで行われた1週前追い切りでは6ハロン83.0秒、ラスト12.2秒で併せ馬に先着。終い重視の内容だったが、ラストはさすがのキレを見せていた。
今回は主戦の川田騎手がクリソベリルに騎乗するため、福永祐一騎手とコンビ結成。ジャパンCのワグネリアンとは逆の組み合わせとなったが、福永騎手は結果を残せるだろうか。