前人未踏・通算4000勝の大記録達成の武豊騎手に『国民栄誉賞』の声……最大の焦点は「競馬」のギャンブル性か。「柔軟な表彰規定」の可能性に迫る
18日、競馬界のカリスマ武豊騎手がJRA所属馬(海外、地方含む)による前人未到の通算4000勝(JRA=3835勝、海外=11勝、地方=154勝)を達成した。
1987年のデビューから今年は30周年の節目を迎えているが、これまでにも100を超えるG1勝利、全国リーディング18回、年間最多勝記録など数々の”不滅級”の大記録を築き上げてきた武豊騎手。つい先日も通算2万回騎乗で表彰されたばかりだった。
そして、何よりも武豊騎手が評価されるべきはその人間性だ。
デビューから常に注目され続けながら、いつも笑顔。その発言はウィットに富み、取材したマスコミ関係者を、そしてその記事を見た数多くのファンが納得し共感できるよう繊細な配慮がなされている。
トップ騎手という現役のアスリートでありながら、エンターテイナーとしても超一流の存在である武豊騎手はオグリキャップ、ディープインパクトなど数々の名馬を通じて、世間における「競馬のイメージ」を大きく向上させた。その貢献は、目に見えない分計り知れないものであり、もしも武豊の存在がなければ、日本競馬がここまで大きく発展していなかったことは間違いないだろう。
その上で最近になって競馬ファンを中心に話題になっているのが、武豊騎手に『国民栄誉賞』の授与を検討しても良いのではないかということだ。
日本の内閣総理大臣表彰の一つとして、これまで国民的な芸能人やアスリートを中心として23人と1団体(サッカー女子日本代表)が受賞している国民栄誉賞。その目的は『広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与えることに顕著な業績があったものについて、その栄誉を讃えること』とされている。
国民栄誉賞といえば13日に、リオデジャネイロ五輪レスリング女子58kg級で金メダルを獲得し、オリンピック4連覇を達成した伊調馨選手が授与することを決めたばかり。
当然ながら武豊騎手の国民栄誉賞の話題に関しても、伊調馨選手の受賞の影響が多分にあるが、実際に過去に授与されたアスリートの実績や貢献性と比較しても、武豊騎手は間違いなく検討されるべき領域に達しているといえる。