春の名物重賞・大阪杯が「G1」に! レベル保持は容易も、「価値の明確化」なくしてドバイに勝てず?
春の古馬中距離戦線における主要G2だった大阪杯が、来年から「G1昇格」することが分かった。国内春の古馬中距離G1を作ることが、JRAにとって最大の懸案事項だったという。
過去5年の勝ち馬を見ただけでも、安田記念2着や宝塚記念3着のショウナンマイティ、6冠馬オルフェーヴル、2013年のダービー馬キズナ、エリザベス女王杯を制したラキシス、現役古馬勢の実力馬アンビシャスと錚々たる名前が続く。勝ち馬以外にも、続く天皇賞・春や宝塚記念などビッグレースで結果を残した実力馬がひしめき合っており、レーティングがG1昇格の基準である近3年の平均115を超える117になるのも納得である。
現役の第一線で活躍する競走馬を考えても、来年春に大阪杯を使うのではないかと思われる強豪は何頭も浮かぶ。今年の大阪杯に出走して上位を分け合い、来年も現役を続行しそうなキタサンブラックやアンビシャス、ローテ白紙となったものの、長距離である菊花賞ではなく天皇賞・秋を選んだスマートオーディン、中距離適性の高そうなエアスピネルなど。出走する馬の実績という点では、ある程度の質が保たれるのも想定の範囲内だ。
秋競馬における王道路線の天皇賞・秋、ジャパンカップ、有馬記念が「秋古馬三冠」と呼称される場合もあるが、大阪杯がG1になることで「春古馬三冠」と呼ばれるようになれば、今回のG1昇格は間違いなく成功と言えるだろう。
ただ、ファンがどう考えるのかはともかく、実際に馬を走らせる陣営がこの「G1レース」をどのように受け止めるのかは、大きく考えが分かれそうだ。