【2020年JRA最速展望】タワーオブロンドン、クリソベリルに要注目!「短距離路線・マイル路線・ダート路線」
有馬記念も終わり、JRAでは2019年の主要レースが終了。すでに各馬と各陣営は2020年に向けて動き始めているだろうが、レイデオロやリスグラシュー、レッツゴードンキなどが引退し、各路線の勢力図も大きく変わるだろう。そこで、2020年の各路線で注目される有力馬やレース展望をまとめてみた。
■短距離路線
JRA(日本中央競馬会)所属馬の短距離路線は、春は高松宮記念(G1)を目標にし、夏はサマースプリント、秋はスプリンターズS(G1)、そして冬は香港スプリント(G1)というのが1年流れだ。中にはスプリンターズS後に地方交流重賞のJBCスプリントを目指す馬もいるが、基本的には芝路線で検証したい。
2019年の短距離路線は、重賞優勝馬が目まぐるしく変わる混戦模様だった。古馬1200mの重賞は全部で10レースあり、勝ち馬は合計8頭。2勝したのはダノンスマッシュとタワーオブロンドンのみだから、この2頭が上位の存在。しかし今年この路線を牽引したダノンスマッシュ、そして高松宮記念馬ミスターメロディ、スプリンターズS馬タワーオブロンドンは、秋になって明暗が分かれたといえるだろう。セントウルSとスプリンターズSを連勝したタワーオブロンドンに対し、スプリンターズSで敗退したダノンスマッシュは香港スプリントも大敗。同様にミスターメロディもJBCスプリントで大敗といいところなし。来年に向けて明るい材料が見られない。
逆に台頭したのが阪神カップ(G2)を圧勝したグランアレグリアだ。3歳馬は1200mの重賞で勝ち馬がいなかったが、阪神カップの圧勝で一気に主役に躍り出たといっていいだろう。同馬はもともとスプリンターズSを目標にしていたが、怪我で回避していた経緯があるからだ。2着に5馬身差を付け、レコードタイムで快勝した阪神カップの1200m通過タイムは1分7秒9、同馬の暫定レーティングも116とハイレベル。ただし、同じ藤沢厩舎のタワーオブロンドンは主戦ルメールのお手馬であり、鞍上を考慮してマイルや中距離路線に変更する話もあるようだ。仮に短距離路線に本腰を入れるようなら、タワーオブロンドンとともに藤沢和雄厩舎が短距離路線を席捲するかもしれない。その他は今年初重賞勝利という馬が多く、印象としては一枚落ちるといっていい。
中心=タワーオブロンドン
注目=グランアレグリア、ダノンスマッシュ
■マイル路線
JRA(日本中央競馬会)所属馬のマイル路線は、春は安田記念(G1)を目標にし、夏はサマーマイル、秋はマイルCS(G1)、そして冬は香港マイル(G1)というのが1年の流れだ。安田記念とマイルCSの間にある天皇賞(秋)を目指す馬も少なくないが、2019年のマイル王インディチャンプは天皇賞(秋)に出走せずマイルCSに照準を絞って勝利している。
2020年のマイル路線は、前述した安田記念(G1)とマイルCS(G1)を制したインディチャンプ、NHKマイルC(G1)と香港マイル(G1)を制したアドマイヤマーズの2頭が大将格だ。この2頭にマイルCSで2着のダノンプレミアム、毎日王冠馬ダノンキングリーが加わりレベルは高い。