「有馬記念のあとに競馬は必要か」ホープフルSのG1昇格に伴い毎年の「大トリ」が2歳G1に……競馬の季節感を無視し、ファンの声を無視したJRAの「迷走」はどこへ
皐月賞トライアルの弥生賞が開催されれば「もう春が来たか」といい、毎日王冠の開催に合わせて「秋も深まってきたね」という。1年間、ほぼ休みなく開催されるからこそ日本の競馬は、日本独自の『四季』と共に歩んできた歴史があり、レースの開催に合わせて季節の到来を感じるのが日本の多くの競馬ファンだ。
その上で有馬記念といえば、すべての競馬ファンに「1年の終わり」を意識させるもので、最近では俳句の季語に使われたりするほど、日本の文化に深く根付いている。しかし、JRAにはどうやら、そういった風流や季節感といったものが著しく欠如しているようだ。
今回の決定にネット上でも「JRAの暴走」「愚策」「有馬記念が最後でいい」など、概ね反対意見が目に付いたが、JRAにそういったファンの意見を取り入れる柔軟性がないことは、以前から様々な場面で問題になっている。これでは「お役人の仕事」と揶揄されても仕方がない。
例えば、現行の降着制度。2013年より「不利を受けた被害馬が加害馬に先着できたかどうか」という非常に曖昧でわかり辛いルールに変更され、多くの競馬ファンからは「(斜行を)やったもん勝ち」とまで非難されている。JRAによると、これが「世界基準」だそうだ。
さらにJRAは、この決定の伴い12月28日開催のメインとなるホープフルSのG1昇格を既定路線として検討しているようだが、ここにも一つ大きな問題がある。