【徹底考察】スプリンターズS(G1) ブランボヌール「【血統】に隠されたスプリント3戦3勝の実力の真偽。中山の激流で『天才・武豊』のエスコートは如何に」
『考察』
ここ5年間のスプリンターズS(G1)を振り返ると、馬券圏内に入った15頭の内13頭に共通している点がある。
それは前走にセントウルS(G2)、もしくはキーンランドC(G3)を使っていたという点だ。
馬券圏内に入った15頭の前走はセントウルSが7頭、キーンランドCが6頭。あとの2頭は函館スプリントS(G3)か、安田記念からの直行である。これだけを見ても、スプリンターズSを占う上で、如何にこの前哨戦2レースの把握は極めて重要なことがわかる。
その上で、すでにセントウルSはビッグアーサーで触れたので、今回はキーンランドCの勝ち馬ブランボヌールを取り上げた次第だ。
ブランボヌールにとって重賞2勝目となったキーンランドCは、まさに会心の勝利だった。
新馬、函館2歳S(G3)を連勝し、早くから高いスプリント適性を示していたブランボヌールだったが、それ以降は一線級と戦うためマイルを主戦場にシフト。暮れの阪神ジュベナイルF(G1)でも3着したように2歳時は健闘していたが、メンバーが厚くなった3歳からは惨敗続き。
馬体重が思うように維持できなかったこともあって、掲示板にさえ載れないレースが続いていた。
そして、迎えた前走のキーンランドC。ブランボヌールは同じ洋芝の函館2歳Sを3馬身半差で圧勝していたこともあって、2番人気に支持されている。だが、ここでもし惨敗していれば、早熟馬とみなされ、今後は厳しい展開が待っていただろう。従って、本馬にとってはまさに分水嶺の一戦だったということだ。
レースはセカンドテーブルが大きく出遅れた以外は、まずまずのスタート。内から1番人気のシュウジが、内枠を活かしてハナを奪う展開。
8枠14番の大外からのスタートとなったブランボヌールは好位の外側を追走しているが、休み明けのせいか、やや前に行きたがっている。外枠のために馬を前に置くこともできない展開となったが、ギリギリで折り合いを失わせない辺りは、さすが戸崎圭太騎手と述べる他ない。