JRAジャパンCの国際評価が絶望的……やはり海外馬なしでは
23日、IFHA(国際競馬統括機関連盟)は「2019年度世界のトップ100・G1レース(3歳以上)」を発表した。
これによれば、1位は126.25でフランスの凱旋門賞が、過去5年で4回目のトップ。2位以下にはキングジョージⅥ世&QES(125.75)、プリンスオブウェールズS(124.25)、エクリプスS(123.00)とイングランドのレースが並んだ。
そして5位には日本の宝塚記念が選出され、6位には有馬記念が続く。その後も日本のレースでは、天皇賞・秋(13位)、安田記念(22位)、日本ダービー(32位)、皐月賞(36位)がランクイン。そして国際招待レースとして知られるジャパンカップは46位に終わっている。
「今年のジャパンカップのレーティングは118。これは2016年に119.50で28位だったときよりも低いです。17年は121.25で12位、18年は122.50で7位と徐々に上がっていたのですが、昨年で評価が急落してしまいましたね。
このランキングは同時に発表されるロンジンワールドベストレースホースランキングで、高評価されている馬が出走したレースが上位に入る傾向があります。今年はクリスタルオーシャン、エネイブル、ヴァルトガイストの3頭が128でトップタイ。この3頭が出走したレースのレーティングが軒並み高いです。そして日本ではリスグラシューが126で第5位タイにランクインし、同馬が勝利した宝塚記念、有馬記念が上位にきています。
一方、昨年のジャパンカップは1981年の創設から39回目にして、『外国馬の出走ゼロ』という異常事態。また日本勢もその年にG1を制した馬が1頭も出走しないという状況でした。メンバーの層が薄かったことも、この低評価に終わった一因だったはずです」(競馬誌ライター)
ジャパンカップは、「世界に通じる馬づくり」を目指して作られた国際招待レース。そのレースに有力な海外馬が出走をせず、レーティングが低くなるのは寂しい限りだ。
今年海外陣営が来日しなかったのは、通常は“セット”として考えられている香港の国際競走がデモの影響もあり、開催が不透明になったことも大きいと見られている。そのため、来年、情勢が落ち着いていれば、再度ジャパンカップにも外国馬が来る可能性が高いという。
ただ、もし香港国際競走が無事に開催されることが決まっているにもかかわらず、ジャパンカップに外国馬が来なかったとしたら……。この最悪の未来が訪れた際、それを打開する策がJRAにはあるのだろうか?