JRA今年も「史上初」なるか!? グランアレグリア「超異例」春のローテーション発表
昨年の最優秀3歳牝馬に輝いたグランアレグリア(牝4歳、美浦・藤沢和雄厩舎)の今後の予定が発表された。
2019年度JRA賞の授賞式でサンデーレーシング吉田俊介代表から「昨年は結果的に3回しか走れなかったので、今年は春に3回の出走を予定しています。高松宮記念、ヴィクトリアマイル、安田記念と出走できたらいいと思います」とコメントがあった。この春はG1・3連戦の異例のローテーションとなりそうだ。
昨年はステップレースを使わず桜花賞に挑み、史上初の年明け初戦での桜花賞制覇となった。レースでは好位からレースを運び、4コーナーで先頭に立つと後続を突き放し2馬身半差の勝利。勝ちタイムはなんとアーモンドアイのレースレコードを0.4秒塗り替える1分32秒7だった。
続くNHKマイルC(G1)は1番人気に支持されるも、前半はかかり気味、さらに最後の直線で外側に斜行し5着降着(4着入線)と不完全燃焼に終わった。
その後休養を挟み、昨年12月阪神C(G2)が7カ月ぶりの出走となった。「初の1400m、古馬初対決、久々のレース」と心配する声が囁かれるなかレースを迎えた。そんな心配をよそにグランアレグリアは圧勝する。C.ルメール騎手がゴーサインを出すと、直線で次元の違う末脚を発揮、5馬身差をつける圧巻パフォーマンスだった。
次走の高松宮記念について「さらなる距離短縮となるが、阪神Cを見るかぎり前半600m33秒台のハイペースに対応できている。1200mでも期待できそうだ」(競馬ライター)とコメントがある。始動戦からG1制覇に注目が集まる。
しかしこの挑戦には不安要素もある。グランアレグリアは父ディープインパクト、母タピッツフライという血統。ディープインパクト産駒は数々のG1を勝利しているが、芝1200mのG1勝ちがない。高松宮記念では16年ミッキーアイルの2着がディープインパクト産駒の最高着順だ。昨年他界したディープインパクトにとって悲願のタイトルになる。
そのためコース経験のあるヴィクトリアマイル・安田記念よりも、高松宮記念の中京芝1200mが鬼門となるだろう。
ちなみに桜花賞馬によるこのローテーションの挑戦は、一昨年レーヌミノルが7着→10着→12着と惨敗に終わった。同馬は桜花賞後、勝ち星から遠ざかっていたため、グランアレグリアとは臨戦過程が大きく異なる。
またヴィクトリアマイル、安田記念を同年制覇したのは09年のウオッカ1頭のみ。こちらもディープインパクト同様に昨年他界した名牝だ。
グランアレグリアの史上初「牝馬しかできない」“春の短距離3冠”達成へ、果たして天国から名馬たちの後押しはあるのだろうか。