「MAXでやった」坂路1番時計の「究極仕上げ」で送り出されるミッキーアイル!規格外の怪物が取り戻した「個性」と「狂気」が王者ビッグアーサーに迫る!

ミッキーアイル(JBISサーチ公式サイトより)

「休み明けですし、MAXでやりました」

 28日のスプリンターズS出走馬の共同記者会見。古豪ミッキーアイルを送り出す音無秀孝調教師は、迷いなくそう告げた。

 ビッグアーサーの前に2着に敗れた、春の高松宮記念(G1)以来のレース。ミッキーアイルのキャリアの中で最も長い休養となったが、その最終追い切りは師の言葉通り、休み明けの不安を完全に吹き飛ばす圧巻の内容だった。

 雨を含んだ栗東の坂路コース。4ハロンの計測に入ったミッキーアイルは、さすが短距離界屈指のスピードスターと思わせる抜群の加速でいきなり12.3秒。さらに、そのまま12.1秒、12.3秒とレースさながらの全速力を維持。

 この日は併せ馬だったが、このような時計でパートナーが付いてこられる訳がなかった。相手はラスト1ハロンを残して早々に脱落。今週のシリウスS(G3)に出走するランウェイワルツだけに、決して弱い馬ではない。

 最後は単走になったため13.3秒までタイムが落ちたが、全体時計は50秒ジャスト。この日の栗東坂路の2番時計を1秒以上突き放す”異次元”の1番時計だ。まさに「究極の仕上がり」といえる。

 ただ、そんな極上のタイムよりもさらに特筆すべきは、その「内容」だ。

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