JRA「関東圏なら」ドーヴァーは要警戒!! 東京新聞杯(G3)で波乱の立役者となるか?

 どんなに競走馬の調教や輸送に関する技術が進化しても、交通事情が改善されても、輸送が苦手という馬は存在する。特に東西間の輸送において、得手不得手がはっきりと出てしまう馬が時々いる。

 9日(日)の東京新聞杯(G3)にドーヴァー(牡7歳、美浦・伊藤圭三厩舎)という馬が登録している。前走は1月5日(日)の京都金杯(G3)に出走するも7着。中団で脚を溜める競馬となったが、末脚が不発に終わり、見せ場を作ることも出来なかった。

この結果を見た記者は「そもそも京都金杯というレースを選択したのが、間違いだったのではないか」と語る。

 このドーヴァーの戦績をよく見て欲しい。これまで7勝を挙げている。2走前にはジャパンカップの前日に東京競馬場で行われたキャピタルSで不良馬場を物ともせず、直線で鋭く追い込んでの勝利だった。

 このキャピタルSを含め、東京競馬場では3勝を挙げている。中山競馬場で挙げた勝ち星は4。東京・中山以外の競馬場では全く勝ち星を挙げていない。過去に中京や京都でそれぞれ2度ずつ出走しているが、いずれも結果は【0・0・0・2】。興味深いのは、新潟競馬場でも2度出走して【0・0・0・2】。

ドーヴァーにとっては、新潟競馬場も遠くにある競馬場なのかもしれない。

 こうしたデータを基に考えると、前走の京都金杯における7着という結果はやむを得ない結果だった可能性もある。今回の東京新聞杯は、得意とする東京競馬場が舞台だ。巻き返す可能性は十分にあると考えて良い。

 今回は北村宏司騎手が手綱を取る予定となっている。2018年11月に奥多摩S(現3勝クラス)を勝利して以来、2度目のコンビ結成となる。その当時からやや時間が経過しているが、当時も勝ち星を挙げているだけに、騎手がドーヴァーにいいイメージを抱いたまま騎乗できるのは、プラス材料と言えるのではないだろうか。

 今年の東京新聞杯は18頭が登録している。そのうち、前走で勝ち星を挙げた馬は2頭いるが、いずれも今回が昇級戦で、オープンでの実績はない。

他では、キャピタルSでドーヴァーから0秒3差の2着に敗れたレッドヴェイロンの名前があるが、他に前走で馬券圏内に入った馬はいない。レベルが高いとは言えない一戦だ。ドーヴァーも京都金杯7着から巻き返す可能性は十分にある。

 前述したキャピタルSだが、当時のドーヴァーは単勝オッズ25.0倍で7番人気だった。3着に12番人気のサトノフェイバーが入り、3連複94,190円、3連単680,530円という波乱の結果となっている。

当時、手綱を取ったW.ビュイック騎手は「状態はいいので、馬の力を信じて乗れば、人気薄でもチャンスがある」と陣営に言われていたという。無欲の追い込みというべきかもしれない。

ドーヴァーは『netkeiba.com』の予想単勝オッズでは、69倍で11番人気となっている。東京新聞杯でも再び波乱の立役者となる可能性は十分に秘めている1頭と考えていいだろう。要警戒の存在だ。

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