マカヒキ惨敗で金子オーナーも「分からない」と呆然。日本競馬が「欧州制圧」を成し遂げるためには「凱旋門賞偏重」を捨てるべきなのか
オーナーの金子氏はレース後「分からない」というコメントを連発し、ひどく落胆していたようである。マカヒキに懸ける期待がどれだけ大きかったのかを物語るような話だが、やはりまだまだ日本馬が「欧州制圧」を果たすのには課題があるのかもしれない。
日本のしっかりした「野芝」の馬場と、欧州の「洋芝」の違いや輸送、ローテーションなど課題は山積み。さらに今回は日本の競馬のようなタイムでレースが決着したことからも、日本の凱旋門賞制覇がまたしても遠のいてしまった印象は否めない。
しかし、凱旋門賞への日本の挑戦は今後も続くであろうし、継続すべきだと感じる。一部報道では「凱旋門賞にこだわるな」という声もあり、チャンピオンSなどに目を向けるべきという論調もある。それは理解できる。しかし、凱旋門賞に限らず、欧州のビッグレースであればどれを勝つにも確固たる能力が必須であることは明白だ。「凱旋門賞だから日本馬は勝てない」というわけでは決してない。むしろ、最近の欧州のトレンドであるマイル~中距離はよりハードな戦いを強いられる可能性が高い。
何より、日本において「凱旋門賞を勝つ=日本競馬が世界一」というイメージが強い現状、使命感や名誉のための凱旋門賞挑戦は続くに違いないのだ。
現状を考えれば、日本競馬はやはり凱旋門賞で「打倒欧州」を目指すことが必要な状況のように思える。少なくとも、これほど日本で知名度のある海外レースは他にないのだから。
(文=利坊)