JRAフェブラリーSは「ペース」がカギ! 2年前の覇者ノンコノユメにチャンスあり?
23日(日)のフェブラリーS(G1)に3頭の地方所属馬が登録している。
中でもノンコノユメ(セ8歳、大井・荒山勝徳厩舎)は、JRAに所属していた2年前にこのレースを制しているので気になる、というファンも多いだろう。8歳になったが、前走の東京大賞典(G1)でも2着に入るなど、衰えは全く感じられない。
2年前のフェブラリーS制覇を振り返ってみたい。当時は単勝オッズ10.7倍の4番人気で、その前の根岸S(G3)でレコード勝ちしての参戦だった。根岸Sが好内容だったのに、4番人気という低評価だった理由は、この馬の脚質にあった。
ノンコノユメは4コーナーまでは馬群の後方でレースを進め、直線で鋭く伸びて浮上する、いわゆる追い込み馬である。前が止まらない流れでは、末脚が不発に終わることも多い。2年前のフェブラリーS当日、府中のダートは前残り傾向が強い馬場で、しかも前走の東海S(G2)で逃げ切り勝ちを決めたテイエムジンソクという馬に注目が集まっていた。
テイエムジンソクは2走前のチャンピオンズC(G1)でも2着に入っていた。このテイエムジンソクに主導権を握られると、ノンコノユメには厳しい流れのレースとなってしまう。当時は、そんな見方が大半だった。
しかし、ゲートが開くとテイエムジンソクはニシケンモノノフ、ケイティブレイブといった馬たちに前を譲る形となり、レースの主導権を握ることができない。レースラップもスタートから2ハロン目が10秒7となり、その後も11秒台のラップが続くハイペースに。結果は前潰れとなり、4コーナー13番手でレースを進めたノンコノユメの末脚がハマる形となった。
今年は2年前の再現は見られるのだろうか? カギは逃げ・先行馬の顔ぶれだろう。中でも、昨年は逃げ切り勝ちを決めたインティの出方に注目が集まりそうだ。前走の東海Sは控える競馬で3着に入ったインティだが、管理する野中賢二調教師は「行けたら行ったらいい」という指示をレース前の武豊騎手に出していた、とのこと。再び逃げの手に出る可能性は十分にある。
他に逃げる馬がいるとすれば、前走の川崎記念(G1)でハナに立ったケイティブレイブや、途中でそのケイティブレイブからハナを奪ったミューチャリーなどだろうか。いずれもハナにこだわるタイプではないだけに、インティが楽に逃げて、ノンコノユメ向きの流れにはならない可能性はある。
しかし、マイペースで逃げたインティの怖さは、他の騎手も十分過ぎるほど知っている。昨年の覇者だけに、マークは厳しくなるだろう。インティ向きの流れとなるか、ノンコノユメ向きの流れか、はゲートが開いてみないと誰にもわからない。
ノンコノユメは昨年のドバイ遠征を最後に大井競馬に移籍した。移籍後に挙げた勝利は南関東ローカル重賞のサンタアニタTだけだが、帝王賞(G1)で3着、日本テレビ盃(G2)で3着、そして前述した東京大賞典で2着など、馬券圏内からは一度も外れていない。
前走の東京大賞典では、真島大輔騎手が馬群の中団からレースを進めている。大井に移籍後、真島騎手はノンコノユメの手綱を4回取っているが、JRA所属時よりも前のポジションでレースを進めている。2000勝ジョッキーで、昨年も南関東リーディング5位というベテランの真島騎手はノンコノユメにJRA時代とは異なる競馬を求め、脚質転換を図っている。今回、真島騎手は2年前より前のポジションでレースに挑むかもしれないが、結果は果たして?