武豊「新型コロナウイルス」警鐘もJRA「対応なし」に疑問……G1・フェブラリーS「来場5万人」見込みも香港では、すでに「無観客」レース
23日には、2020年最初のJRA・G1フェブラリーSが東京競馬場で行われる。昨年末のホープフルS(G1)から約2カ月、待ちに待ったG1開催であり、週末は多くの競馬ファンが現地に詰めかけることが予想される。
しかし、その一方で今週末「本当に、東京競馬場に出掛けても大丈夫なのか?」と迷っているファンも多いはずだ。関心の先は無論、今世界中で注意喚起されている新型コロナウイルスの感染拡大である。
実際にこの日、静岡マラソン実行委員会が来月8日に予定されていた「静岡マラソン2020」の中止を発表。約1万4000人が参加予定だったという。他にも大阪府が主催する約200件のイベントが中止となるなど、大人数が集まるイベントに主催者側が次々と慎重な姿勢を見せている。
実は、この“流れ”は競馬界にも影響を及ぼし始めている。16日に香港の沙田競馬場で行われた香港ゴールドC(G1)が新型コロナウイルスの感染拡大の懸念により、無観客で行われたのだ。
昨年、日本のウインブライトが連勝した春のクイーンエリザベス2世C(G1)、年末の香港C(G1)と並ぶ、香港競馬にとって非常に格式高いレースとなる香港ゴールドC。今年もエグザルタントやタイムワープといった香港を代表する名馬が集ったが、レースは毎年沙田競馬場に詰め掛ける約3万人のファン姿が一切ないという異様な光景で行われた。
「香港でも他のスポーツイベントの中止や延期が次々と発表されており、一時は『香港ゴールドC開催も中止になるのでは』という見方もありました。
しかし昨夏、禁止薬物で152頭が出走取り消しになりながらJRAが予定通りのレースを敢行したように、経済スポーツである競馬の場合、予定されたレースが開催されるか否かは非常に重要。そこで香港競馬は『無観客』で行うという異例の決断を下したようです。
結局この日、レースを観戦したのは馬主や関係者を合わせて、わずか300人程度。自分も無観客で競馬の公式レースが行われるところを初めて見ました……」(競馬記者)
ちなみに香港の新型コロナウイルス感染者は、昨日の段階で62名。日本でも同程度の感染者が確認されていた(20日12時現在で85名)。そういった意味でも、競馬観戦における「リスク」の高さにおいて、大きな差はないはずだ。
そういった事態を受け、いち早くファンに注意喚起を促したのが、競馬の第一人者であり、騎手会長の武豊騎手である。