JRAヴェロックス川田「あまりにも結果が出なかった」小倉大賞典(G3)57キロで確勝期すも9着完敗

 23日に行われた小倉11R第54回小倉大賞典(G3)は、鮫島克駿騎手の4番人気カデナ(牡6、栗東・中竹和也厩舎)が快勝した。

「今週は馬場が乾いて内が有利になっていて、この内枠を生かした競馬をしようと思っていました。元々力のある馬で、今日はこの馬の力を出し切れたと思います。とても嬉しいです。ガッツポーズは思わず出ました」

 そう喜びを爆発させた鮫島騎手は、これが重賞初制覇。2015年に新人王を獲得するも、重賞制覇まで時間が掛かっていただけに喜びもひとしおだろう。

 一方、単勝1.4倍の圧倒的な支持を受けた川田将雅騎手のヴェロックス(牡4、栗東・中内田充正厩舎)は5番手から進めるも、直線伸びを欠き9着に敗れた。

 G1戦線で戦っていくためにも絶対に落とせなかったはずの戦いに敗れた。厳しい現実がヴェロックス陣営の眼前に横たわる。

「返し馬から雰囲気が良く、具合も良さそうでしたが、あまりにも結果が出ませんでした。」若駒S(L)からコンビを組んできた川田将雅騎手にも敗因はわからない。「何事もなく次走を迎えられたらいいと思います」と言葉少なにコメントするよりなかった。

 元騎手の安藤勝己氏も自身のtwitterで「ヴェロックスは1コーナーから進み悪かった。距離短縮と重い馬場とで忙しくなった感じやった」といつもの走りではなかったと回顧した。

 好スタートを決めると好位の5番手からの競馬。川田騎手は馬の力を信じていつもで抜け出せるよう、慎重に進路を確保しながらレースを進める。ただ、一見スムーズに追走しているように見えても口を割って掛かっていたのは確かだ。3~4コーナーでは外からまくって来たドゥオーモに被せられるも、ヴェロックスにもう押し返すだけの余力は残っていなかった。

 鞍上の懸命なムチに応えられないままズルズルと後退し、ゴールしたのは勝ち馬カデナから遅れること1秒6差の9着完敗を喫した。3歳クラシックで皐月賞(G1)2着、日本ダービー(G1)2着、菊花賞(G1)3着と現4歳世代のトップを走り抜けた馬とはかけ離れた姿だろう。

 それだけにこの結果はただただ、走らなさ過ぎた。ハンデ戦の小倉大賞典を推し測るため、同じくハンデ戦のシルクロードS(G3)に登録をした。事前に57キロのハンデを確認し、実際に想定通りとなったのはさすが中内田厩舎といえる見事な戦略だった。

 目論み通りに事が進み、後は朗報を待つのみだった。にもかかわらず、巻き返しを期すための手がかりすら得られない敗戦は、ヴェロックス陣営にとってショックはいかばかりだったであろうか。

 重賞勝ちのないヴェロックスにとって、この先のG1戦線で除外を恐れずに歩を進めるためにも賞金加算は急務だっただけに、想定外の敗戦で今後のレース選択にも大きな影響を及ぼす可能性が出て来た。

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