JRAオーシャンS(G3)「絶好調」横山典弘騎手と「中山巧者」ナックビーナスに要注目!
騎手にとって「会心の騎乗」とは、レース前に思い描いたプラン通りの騎乗ができた時を意味するのかもしれない。ダノンキングリーで豪華メンバーの中山記念(G2)を勝利した横山典弘騎手はレース後、満面の笑みで「行く馬が2頭いて、考えていた通りのレースになりました」と語っていた。まさに会心の騎乗だったに違いない。
その横山典騎手に2週連続で重賞勝利のチャンスが巡ってきた。7日(土)に中山競馬場で行われるオーシャンS(G3)で、ナックビーナス(牝7歳、美浦・杉浦宏昭厩舎)に騎乗する。
『netkeiba.com』の予想単勝オッズは5.6倍で3番人気と評価も高い。年末のラピスラズリS(L)で勝利し、前走のタンザナイトS(OP)でも2着と好調なことが高評価の理由だろう。そのタンザナイトSで手綱を取っていた武豊騎手は敗因について「ハンデ差もあったから」と語っている。牝馬で56キロを背負い、2着なら評価に値する。
7歳牝馬ですでに36戦を経験しているナックビーナスだが、この内の14戦は横山典騎手とのコンビで挑んでおり、全8勝中4勝を同騎手の手綱で挙げている。だが最近は他の騎手が乗る機会が多く、横山典騎手が騎乗するのは2年前の同じオーシャンSで2着に入った時以来となる。
ナックビーナスはデータからも注目したい1頭だ。
中山では【4・7・1・1】で勝率30.8%、連対率84.6%、3着内率92.3%と特筆すべき戦績を残している。馬券圏外から外れたのは2018年のスプリンターズS(G1、7着)だけなのだから、中山巧者だと言って間違いない。
中間の調整過程も順調だ。先週までに南Wで3本の時計を出しているが、26日(水)は稍重の南Wで5F63秒5、ラスト1F12秒4を強めでマーク。今回は斤量も前走から2キロ減の54キロでの出走と、プラス材料ばかりが目につく状況だ。
前述した『netkeiba.com』の予想で1番人気に支持されているのは、スプリンターズSの覇者タワーオブロンドンである。どの馬もレース序盤は馬群の後方でレースを進める本馬の動きを警戒しながらのレースとなる可能性が高い。
一方のナックビーナスは何が何でも逃げたいタイプである。2走前のラピスラズリSで手綱を取った田辺裕信騎手は「スタートが決まって、ペースを落とせたので脚を溜めることができた」と語る。今回も同様の競馬に持ち込むことができれば、タワーオブロンドンの決め手を封じることも可能かもしれない。
得意のコースに好調な鞍上とのコンビ復活と、好材料が目立つナックビーナス。2018年のキーンランドC(G3)以来となる2つ目の重賞タイトル獲得なるか、注目したい。