JRA武豊「勝ちたかった」弥生賞ディープインパクト記念(G2)サトノフラッグ快勝! 「非常に楽しみな馬」ディープの忘れ形見が春クラシック主役へ

 8日、中山競馬場で行われた弥生賞ディープインパクト記念(G2)は、1番人気のサトノフラッグ(牡3歳、美浦・国枝栄厩舎)が優勝。4月の皐月賞(G1)と同舞台で行われた王道トライアルを制し、春のクラシックへ大きく名乗りを上げた。

「ディープインパクトのように飛んできた――!」

 午前中に降り続いた雨の影響で重馬場の中、11頭立てで行われた芝2000mのレース。1枠1番からまずまずのスタートを決めたサトノフラッグは、位置取りを下げながら武豊騎手が馬場の良い外へ持ち出した。

 ハナを主張したパンサラッサを、外からウインカーネリアンが交わしていく出入りの激しい競馬。掛かり気味のディヴィナシオンが絡んで3頭が後続を大きく離す展開だった。1000m通過61.1秒は馬場を考慮すればタフな流れと言えそうだ。

 勝負所の3コーナーに差し掛かったところでペースが上がり、先頭集団が馬群に吸収される。そんな中、外に持ちだされたサトノフラッグが後方から一気に先頭集団へ進出すると、最後の直線では早々に先頭へ。ワーケアやオーソリティといった実績組が必死に食い下がるが、最後は1馬身3/4差を付けてゴールした。

「強いレースでしたが、武豊騎手の冷静な騎乗が光りましたね。内が悪い馬場状態を考慮すると1枠1番は非常に難しい枠。スタートして周りを見ながら外に出し、最後の直線も馬場の良い所を通ることができたからこその完勝だと思います。

今日はサトノフラッグにとって決して良い馬場とは言えなかっただけに、本番を良馬場で迎えられるなら楽しみが広がりますよ」(競馬記者)

「(ディープインパクトが昨年亡くなったこともあって)こういうチャンスはこの先、そうそうないですから、今日は『勝ちたいな』という気持ちは強かったですよ」

 勝利騎手インタビューに応じた武豊騎手も「(サトノフラッグに)初めて跨ったんですけど、馬上から眺める感じはディープに似ていましたね」と感慨深げ。勝負所から外をまくって上がるシーンは父の走りを彷彿とさせるものだったが「3コーナーから馬が動いてくれて、お父さんが中山を走る時と同じような感じで、ちょっと思い出しました」と、かつての相棒に思いを馳せた。

 現状、3歳牡馬クラシックは2歳G1を勝ったサリオスとコントレイルが中心視されているが、ホープフルS(G1)3着の実績を持つワーケアに完勝した意義は大きい。

武豊騎手も「良馬場ならもっと走れそう。非常に楽しみな馬だと思います」とコメントしているだけに、皐月賞はサトノフラッグを加えた「3強」の争いになるかもしれない。

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