元JRA安藤勝己氏「お手並み拝見やね」レシステンシア収穫あったチューリップ賞(G2)敗戦
逃げると思われたスマイルカナの丹内祐次騎手が控える選択をしたため、再度逃げる形となったのは、レシステンシアにとって誤算だったかもしれない。阪神JFでは逃げて圧勝したとはいえ、単調な逃げ馬にはしたくないという陣営の狙いも少なからずあったのではないだろうか。
レシステンシアの父ダイワメジャーも瞬発力勝負は苦手としていた。父の主戦だった安藤勝己元騎手は、自身のTwitterでチューリップ賞の見解を次のように述べている。
「スマイルカナに下げろの指示が出てたんやろな。それでレシステンシアのプランも変わった。正直、逃げて負けたくなかったはず。本番はペースを落とさず逃げるか、外枠ならジワっと踏んでくか。友一のお手並み拝見やね」
阪神JFは前後半3Fが33.7-35.2のハイペースで飛ばすことで、追走する後続の末脚を鈍らせた結果のレコード圧勝だった。これに対してチューリップ賞は35.1-34.0のスローペースに控えたことにより、直線では瞬発力勝負となったため、末脚の切れるライバル馬に交わされてしまった。これは本番を見据えると大きな判断材料となりそうだ。
レース後に北村友一騎手は「休み明けで力んでいました。直線で加速はしていますが、今日はもうひと伸びが足りませんでした。前哨戦で自分の形のレースができたので、それを踏まえて本番に臨みます」とコメントしている。
「今回の敗戦で、陣営としても迷いがなくなったかもしれませんね。やはり、レシステンシアの武器は阪神JFをレコード勝ちしたようにスピードでしょう。おそらく、桜花賞では同じ轍を踏まないためにも逃げるのではないでしょうか。
レコードで激走した阪神JFの身体的ダメージは少なからずあったでしょう。それだけにトライアルで勝ちにこだわって無理をするよりも、瞬発力勝負が苦手なことを確認できたことは収穫だったと考えられます」(競馬記者)
騎乗停止を課されていた北村友騎手は、昨年までのルールならチューリップ賞には乗ることができなかった。今年からのルール改正により、処分の開始期間が1週繰り下げられたことにより、前哨戦で手応えをつかむことができたのは幸運だったといえる。
4月12日の桜花賞ではどのような手綱捌きを見せてくれるだろうか。