JRA「史上初」ナックビーナス「4年連続2着」の”異業”達成!重賞1勝ながらもG1馬と遜色なし!?
7日に行われたオーシャンS(G3)はダノンスマッシュが制し、高松宮記念(G1)に向けて弾みをつけた。それと同時に、2着のナックビーナス(牝7歳、美浦・杉浦宏昭厩舎)は「同一重賞4年連続2着」という偉業ならぬ“異業”を成し遂げた。
レースは逃げるエンゲルヘンにハナを譲り、2番手からの競馬。直線で先頭に立つと抜群の手応えも、あと一歩のところでダノンスマッシュの末脚に屈し2着に敗れた。3着のG1馬タワーオブロンドンに3馬身差をつける快走だけに、悔しい2着だ。
この敗戦に杉浦調教師は「2番手からよく頑張ってくれた。ただ今回は勝った馬が強かったですね」と勝ち馬には白旗を上げつつ、重賞を惜しくも逃した愛馬の健闘を称えた。
奇しくも同一重賞4年連続の2着となったが、これはJRA「史上初」の大記録である。
JRA平地同一重賞の記録は「3連覇」が最高で、これまで6頭が記録している。その中の1頭、中山巧者・マツリダゴッホは2007年~2009年のオールカマー(G2)で達成している。障害ではオジュウチョウサンが中山グランドジャンプ(G1)4連覇という記録を達成しているが、盛衰の激しいスプリント界で4年連続2着の高いパフォーマンスを維持するのも至難の業だ。
オーシャンSの1着賞金は4100万円、2着賞金は1600万円。4年連続で2着の賞金を獲得しているため、オーシャンSだけで6400万円を獲得。これは同レースの1着賞金以上に相当する。
また、ナックビーナスがこれまで稼いだ総賞金は3億5000万を超え、重賞1勝ながらもG1馬並みだ。さらに15年の千葉サラブレッド・セールにて2160万円で取引されたことを考えると、かなり優秀な馬主孝行の馬である。
これまで芝1200m以下の距離では、【6,9,3,7】の成績を収めており、勝率0.240、連対率0.600の名スプリンター。さらに中山競馬場では【4,8,1,1】と抜群の相性を誇っている。
今年で7歳のナックビーナスだが、オーシャンSの走りを見る限りはまだまだ活躍に期待がかかる。マツリダゴッホが得意の中山競馬場で有馬記念(G1)を制したように、大仕事をするのはまだまだこれからかもしれない。