JRA・L.ヒューイットソン「非常に光栄」スプリングS(G2)で重賞初制覇! 皐月賞へ「2000mが限界かな」伏兵ガロアクリークが「不安」を残す理由
22日、中山競馬場で行われたスプリングS(G2)は、6番人気のガロアクリーク(牡3歳、美浦・上原博之厩舎)が優勝。鞍上のL.ヒューイットソン騎手は嬉しいJRA重賞初制覇となった。
「アリガトウ!」
覚えたての日本語でヒューイットソン騎手が喜びを爆発させた。
10頭立てで行われたレースは1000m通過が63.1秒という超スローペース。中団やや後方からの競馬となったガロアクリークは、1番人気のヴェルトライゼンデや2番人気のサクセッションがまくりを掛ける中で、ヒューイットソン騎手は決して慌てなかった。
有力馬が横一線となって迎えた最後の直線。先に抜け出しを図ったヴェルトライゼンデに、ガロアクリークが堂々の真っ向勝負。最後は1馬身1/4差退けて、重賞初制覇を飾った。
南アフリカの若き天才が、ついに魅せた。10頭中6番人気の伏兵とあって「メンバー的に強敵が多かった」と振り返ったヒューイットソン騎手。しかし、「(最終)追い切りの感触がすごくよかったので自信を持って乗った」と相棒の力を信じていたようだ。
「日本のG2という大きなレースを勝ったので、僕にとっては非常に光栄です」
これで皐月賞(G1)の優先出走権を獲得したが、「次のG1に強い馬とコンビ組めて嬉しい」とガロアクリークとのコンビ継続を熱望。勝利騎手インタビューでは「アリガトウゴザイマス!」を何度も口にして喜びを噛みしめていた。
「ホープフルS・2着馬のヴェルトライゼンデを負かしたという意味でも、ガロアクリーク陣営にとって非常に大きな収穫のあるレースだったと思います。
これで本番の皐月賞が楽しみになりましたが、問題は『距離』ですね」(競馬記者)
記者がそう語る通り、ガロアクリークの父キンシャサノキセキは現役時代、高松宮記念(G1)連覇などを飾ったバリバリのスプリンターだった。代表産駒にもシュウジ(阪神C)やサクセスエナジー(黒船賞)など、やはりマイル以下での活躍が目立つ。
実際にヒューイットソン騎手も「距離の部分に関しては2000mが限界かなと思います」と発言。「馬の能力でカバーできると信じています」と語ったが、不安は決して小さくないようだ。
「厩舎に感謝したいです、アリガトウゴザイマス!」
そう勝利騎手インタビューを締めくくったヒューイットソン騎手。ここまで重賞では苦戦が続いていたが、ついに待望の初勝利を挙げ、春のG1戦線に大きな一歩を踏み出した。