「最高の誕生日プレゼント」京都大賞典(G2)は武豊騎手が北島三郎オーナーの誕生日を祝う完勝劇!単勝1.8倍の天皇賞馬キタサンブラックが秋初戦で貫録を示す
武豊騎手にとって、そしてキタサンブラックにとってもここは負けられない一戦だった。
10日に京都競馬場のメインレースとして行なわれた京都大賞典(G2)。昨年はラブリーデイがここを勝って天皇賞・秋(G1)も制覇。今年も天皇賞馬キタサンブラックや前年の覇者ラブリーデイ、有馬記念(G1)で2着の実績があるサウンズオブアースなど強豪馬が秋初戦として姿を現した。
祝日・体育の日を利用した3日間開催の最終日ながら、開幕週で良馬場の京都。前日もメインレースで最下位人気のラインスピリットが逃げ切り勝ちを収めたように、この日も芝コースは前が止まらない。
そうなると現役屈指の逃げ馬キタサンブラックに、ますます人気が集中するのも当然か。レース前のオッズでは、この春の天皇賞馬が単勝1.8倍と抜けた1番人気に推された。ちなみにキタサンブラックは意外なことに、これがキャリア初の1番人気である。
レースは出走10頭が、特に大きな出遅れもない好スタート。内からキタサンブラックがハナをうかがうが、それを制して2連勝中の上がり馬ヤマカツライデンがペースの主導権を握った。
キタサンブラックは2番手、それを見るような形で2番人気のラブリーデイ。アドマイヤデウスはその内に潜り込み、サウンズオブアースは中団で脚を溜めることを選択した。
1000mの通過は62秒。前日の雨の影響も考えられるが、それでも超スローペースといえる流れだ。前が有利な上がり勝負になることは明白で、中断にいたサウンズオブアースにとっては厳しい流れとなった。
ペースが本格的に上がったのはラスト600mを切った4コーナー辺りから。最後の直線に入ると、キタサンブラックがここまで泳がせていたヤマカツライデンをあっさりと飲み込む。そのままスッと後続に2馬身程度のリードをつけると、残りはもう200mを切っていた。
キタサンブラックをマークする形で3番手にいたラブリーデイは休み明けの影響か、加速するまでに時間が掛かり、その内にいたアドマイヤデウスはキタサンブラックに上手く前に入られて追い出せない。
その間にセーフティーリードを築いたキタサンブラックが、そのまま先頭でゴール。結果的にアドマイヤデウスにクビ差まで詰め寄られたが、レース後に鞍上が「着差はなかったんですけど完勝でした」と話した通り、最後まで手応えには余裕があった。
3着にラブリーデイ、サウンズオブアースは上がり最速の33.1秒で追い上げるも、この展開と馬場では4着までが精一杯だった。