ドバイワールドカップ中止、ケンタッキーダービー延期、グランドナショナル中止……新型コロナウイルスの影響は甚大!世界競馬の対応まとめ
世界中で数十万人が感染しているコロナウイルス(COVID-19)が、競馬にも大きな影響を与えている。日本では3月から無観客競馬が続いており、高松宮記念でも継続されることが発表されたばかり。また先日発表されたドバイワールドカップの中止も、各方面に大きな衝撃を与えた。アーモンドアイやカレンブーケドールなどの遠征が無駄となっただけでなく、関係者は帰国後14日間の隔離。クリストフ・ルメール騎手や古川吉洋騎手は、高松宮記念週も大阪杯週も騎乗できず、大きなチャンスを逃してしまったのである。
しかしドバイワールドカップの中止は氷山の一角。東京オリンピックの1年延期でわかるように、世界中のスポーツやビッグイベントが中止や延期となっているのだ。そこで3月27日現在、世界の競馬がどんな影響を受け、どんな対応を取っているのかまとめてみた。
■北米(アメリカ・カナダ)
カリフォルニア州、フロリダ州、ケンタッキー州、メリーランド州、ニューヨーク州などで無観客での開催を実施。
クラシック三冠レース第1戦のケンタッキーダービーは、5月2日から9月5日へ延期が決定。5月15日のプリークネスステークス、6月6日のベルモントステークスも影響は必至で、もしかしたら全体的にスケジュール変更となるかも。
ニューヨークのアケダクト競馬場が4月5日まで開催中止。
キーンランド競馬場は4月2~24日の開催を中止。
キーンランドで行われる予定だった2歳馬エイプリルセールが中止。9月のセリをケンタッキーダービーに合わせる案も。
ファシグ・ティプトン社やキーンランド協会が開催する7月の1歳セールも日程変更を検討。
ベルモントパーク競馬場の職員が新型コロナウイルスの検査で陽性。
アメリカで殿堂入りしている、J.カステリャーノ騎手が新型コロナウィルスの検査で陽性。
カナダのウッドバイン競馬場は本年の開催開始を延期。
■ヨーロッパ
イギリスは無観客競馬を実施していたが、国内の全競馬開催を4月末まで中断すると発表。障害レースの最高峰であるグランドナショナルも中止が決定している。
アイルランドも無観客競馬を実施していたが、3月25日から4月19日まで開催を中断。
イギリスとアイルランドで発行している著名な競馬新聞レーシングポストが、開催中止の影響を受けて休刊。ただし公式サイトやアプリは継続するとのこと。
フランスは4月15日まで開催中止を決定し、ドイツも競馬開催を中止。
■オセアニア(オーストラリア・ニュージーランド)
オーストラリアはコーフィールド競馬場、ムーニーバレー競馬場、ジーロング競馬場などで無観客競馬を実施。
ニュージーランド競馬が3月24日から4週間の開催中止。調教も禁止されるとのこと。
■中南米(ブラジル・チリ)
チリのバルパライソ競馬場、サンティアゴ競馬場、チレ競馬場は開催の中止を発表。特にバルパライソ競馬場の中止期限は無期限とのこと。
■アジア(香港・アラブ首長国連邦)
香港ではシャティン、ハッピーバレー競馬場ともに無観客競馬を実施中。レース当日の14日前まで海外にいた馬主の入場も不可能に。
既報通りにドバイのアブダビ競馬場で開催を予定していたワールドカップデーが中止。
■アフリカ
南アフリカは3月27日から4月17日まで開催を中止。ロックダウンが解かれ、レースが再開した場合は4月18日に何らかのイベントを実施する予定とのこと。
以上のように、はっきりしているだけでこれだけの競馬場で影響が出ている。最低でも無観客競馬を実施していればレースはできるが、開催中止ともなればその被害は甚大だ。また競走馬にとって一生に1度しかないチャンスかもしれなかったレースに出走できなかったのも、大きな痛手だろう。今後はヨーロッパのクラシック戦線、アメリカの三冠競走がどうなっていくのか非常に気になるところである。
また、開催中止の競馬場や馬券販売事業者は、無観客競馬を実施している香港や日本の地方競馬なども販売しているようで、あの手この手で売り上げ確保を目論み、生き残りを図っている。
競走馬のピークは短い。早くコロナウイルスが終息し、今までの平和な競馬開催が施行されることを願いたい。