JRAサトノインプレッサも!相次ぐ「回避」で皐月賞(G1)異例の様相…… 。原因は「あの馬」!?
1日、無敗で毎日杯(G3)を制したサトノインプレッサ(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)が皐月賞(G1)を回避して、NHKマイルC(G1)へ向かうことが明らかになった。鞍上は未定となっている。
管理する矢作調教師は「距離的なこともあるが、間隔が詰まるのはよくない馬なので」と回避理由に距離とローテーションを挙げた。
毎日杯は後方からレースを進め、直線で抜け出してから抜群の手応えで優勝。2着のアルジャンナに3/4馬身差の勝利だが、着差以上に強い内容だった。
鞍上の武豊騎手は「進路が空いてからは一瞬でしたね。かなりの素質を秘めている。どこまで強くなるか楽しみ」と称賛するとともに、今後の活躍に期待を膨らませた。
毎日杯で高いパフォーマンスを見せたサトノインプレッサが皐月賞に出走となれば、上位人気も十分にありえる。それだけに回避の発表は残念だ。
この回避により、皐月賞はコントレイル、サリオス、サトノフラッグの「3強」ムードがより色濃くなる。上位伯仲のレースで、ファンにとって待ち遠しい1戦だが、「直行」と「回避」が多い異例のレースでもある。
有力馬では「直行」が目立つ。3強のうち、コントレイル、サリオスは昨年12月のG1レースからの直行。昨年サートゥルナーリアがホープフルS(G1)以来の皐月賞を制した前例があるだけに、今後は珍しいものでなくなるかもしれない。
その一方、トライアル組では「回避」馬が異例の多さになっている。皐月賞のトライアルレースは3つあり、弥生賞(G2)の1~3着馬、スプリングS(G2)の1~3着馬、若葉S(L)の1、2着馬の計8頭に優先出走権が与えられる。だが、今年はその優先出走権を行使しない馬が「半数」の異常事態だ。
皐月賞回避を表明したのは、弥生賞で2着のワーケア、3着のオーソリティ、スプリングSで3着のサクセッション、若葉Sで1着のアドマイヤビルゴの4頭。各馬、NHKマイルCか日本ダービー(G1)を目標にすると発表されている。
また毎日杯はトライアルレースではないが、皐月賞前最後の賞金加算チャンスのため、前哨戦の位置づけでもある。実際に2017年にアルアインは毎日杯をステップに皐月賞を制した。今回サトノインプレッサは、皐月賞に出走できる賞金を獲得しながら回避となる。
「今年の皐月賞は前哨戦で好走した馬の相次ぐ回避で異例の様相ですね。この影響で上位拮抗ながら、メンバー層は薄くなります。これには昨年のホープフルSのコントレイル圧勝が影響しているかもしれません。
皐月賞と同じ中山2000mのレースであれだけ強い勝ち方をされては、本番でも勝ち目がないと敬遠している馬もいるはずです。距離不安の馬はNHKマイル、府中に自信のある馬は日本ダービーで戴冠を目指すようですね」(競馬記者)
「3強」が抜けているとはいえ、皐月賞は18年に7番人気のエポカドーロ、17年に9番人気のアルアインが制しており、伏兵が活躍するレースだ。トリッキーな中山コースゆえに、どの馬にも一発逆転のチャンスは十分にある。
回避馬の続出は残念だが、それによって出走できる伏兵の活躍に期待したい。