JRA「スワーヴアラミス×須貝調教師」実は「初めて」だった!? あのダービートレーナーも、「実は」まだ……
3月31日に中山競馬場で開催されたマーチS(G3)はスワーヴアラミス(牡5歳、栗東・須貝尚介厩舎)が勝利し、重賞初制覇を飾った。管理する須貝調教師は1月にトリオンフで制した中山金杯(G3)に続いて、今年早くも重賞2勝目。通算では重賞33勝とした。
須貝調教師といえば、G1・6勝のゴールドシップ、ドバイデューティーフリー(G1)を制してレーティングで世界1位に輝いたジャスタウェイなどを輩出した名伯楽だ。
1985年に騎手デビュー、2008年には調教師免許を取得し、騎手を引退した須貝調教師。2009年の厩舎開業以来、破竹の勢いで勝ち星を積み重ねる。そして2012年の菊花賞(G1)をゴールドシップで制して通算100勝を記録。当時、厩舎開業から3年7ヶ月21日での100勝達成はJRA史上最速の記録だ(※現在、2017年に中内田充正調教師が達成した3年7ヶ月15日が最速記録)。
現在、JRA通算374勝を挙げる須貝調教師だが、意外にもマーチSで挙げた374勝目が「初めて」だった……。
これまで重賞33勝を挙げているが、実はマーチSが初の「ダート重賞」制覇だった。調教師としても初めてだが、騎手時代を含めても初めてだ。
須貝厩舎の管理馬が芝中心ということもあるが、全くダートを使っていないわけではない。これまで芝の出走が2238回に対して、ダートは1126回。またダート重賞では2012年のマーチSで、シルクシュナイダーが1番人気に支持されたこともある。
シルクシュナイダーから8年。同じマーチSで、1番人気スワーヴアラミスの勝利により、今年ついに雪辱を果たすことができたのだ。数々の勝利を収めてきた須貝調教師にとっても、うれしい勝利だろう。
だが、この意外なダート重賞未勝利の名伯楽は、須貝調教師だけではない。
マカヒキ、ワグネリアンで日本ダービー(G1)を2勝している友道康夫調教師も、実はダート重賞未勝利だ。
友道厩舎も管理馬は芝中心だが、ダートレースにもこれまで1300回以上出走している。須貝厩舎は11回目のダート重賞挑戦で初制覇となったが、友道厩舎の挑戦回数はそれを上回る16回(のべ18頭)だ。グリッターウイングやドコフクカゼで惜しいレースはあったが、戴冠には至っていない。
ダービートレーナーでも意外な“弱点”があるものだ。友道調教師にとって、須貝調教師のマーチS制覇は“どこ吹く風”だったのかもしれない。
須貝調教師に続いて、友道調教師のダート重賞制覇する日を楽しみにしたい。