【徹底考察】秋華賞(G1) ジュエラー「復活へ向けた気迫の最終追い切りは抜群の動き!復調しつつある桜花賞馬の『2冠達成』の可能性を考察する」


 それに加え、祖父のネオユニヴァースは産駒のロジユニヴァースが不良の日本ダービーを勝利したように、雨に強い種牡馬として有名な存在である。

 これらの要素を含めると、血統的な見地からは到底ジュエラーがぬかるんだ馬場を苦手としているとは思えない。

 そうなってくるとジュエラーのローズSの敗因は、やはり「距離」にあるように思う。

 マイルで一線級の強さを見せる桜花賞馬、さらには調教師と鞍上が揃って距離の不安を否定しているだけに、それに真っ向から逆らう形になってしまうが、ここまで客観的に考察した限り、ジュエラーが本番に距離の不安を残さないとは考えにくい。

 無論、今回と同じ阪神の外回りの桜花賞であれだけのレースをする馬に、200m伸びただけで距離を単純に不安視するのはあり得ない。しかし、それはあくまで良馬場の話であって、馬場が重くなるということは、単純に走りにくくなることと同時に、同じ距離を走るにしても「いつも以上にスタミナを消費する」ことを忘れてはならない。

 阪神の重馬場で例を挙げれば、今年の宝塚記念が重に近い稍重だった。勝ったのは前走で2500mを使っていたマリアライト。逆に距離を不安視されていた3番人気のアンビシャスは、良馬場の大阪杯(G2)を快勝しながらも、同じように200m距離が伸びた宝塚記念で16着に大敗している。

 そういったことからも、ジュエラーのローズSの敗因は重馬場に脚を取られたというよりも、マイルがベストの馬が、まだ「完調ではなかった状態」で「普段よりもスタミナを要する馬場」でより「体力を使う先行の競馬」をしたことにより、単純に最後の直線でバテて力尽きたと考えるのが妥当ではないだろうか。
(監修=下田照雄(栗東担当))

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