「いい雰囲気が出ている」抜群の追い切りに高評価も「もう騙されない」府中牝馬S(G2)でまたも気になる「あの女傑」の復活劇は?
「いい雰囲気が出ている」
日刊スポーツの取材に応えた飯田祐史調教師の言葉は今回も自信に満ちていたが、今となっては真に受ける者など誰もいないだろう。筆者だって、その一人である。
そろそろ来るのか……いや、まだか。ぼちぼち来ても、おかしくないんじゃないか。さすがにもう来ないか、いや、でももしここで復活したら……この馬に注目する誰もが何度も何度も自問自答し続け、はや2年以上の月日が流れた。
今週の府中牝馬S(G2)に出走する2013年の二冠牝馬メイショウマンボ(牝6歳、栗東・飯田厩舎)は2014年5月のヴィクトリアマイルで2着して以来、JRAのレースでは箸にも棒にも掛からない二ケタ着順を続けている。
個人的な話になってしまうが、筆者としてはオークスの9番人気1着を始め、メイショウマンボにはずいぶんといい思いをさせてもらった。しかし、今となってはそれを軽く上回る馬券代をこの馬にさらわれている。
今になって戦績を振り返るだけでも、この二冠牝馬をなんとか復活させたい陣営の苦悩が伝わってくる。2014年5月のヴィクトリアマイル以降、有馬記念(G1)の2500mから阪神牝馬S(G2)の1400mまで実に様々な距離を使われ、2015年の7月には川崎の交流重賞でダートまで試されている。
ジョッキーこそ主戦の武幸四郎騎手で一貫されているが、最後方から最後の直線に懸けたり、一転して果敢にハナを奪いに行ったりと、あらゆる戦法を試した形跡が残っている。
だが、それでも共通していることは「大敗」という結果だけだ。
冷静になって、客観的にみれば買える要素はまったくない。黙って切るのが当然の判断だ。そんなこと誰もがわかっている。
しかし、これだけの大惨敗を2年以上繰り返しているにもかかわらず、メイショウマンボはこれまで一度も単勝で最下位人気になったことがない。それどころかブービー人気ですら一度もないのだ。