JRAも驚愕の「人為的ミス」でレース不成立相次ぐ……名古屋競馬“普通にスタート”も、まさかの「勘違い」で5800万円台無し……
10日、名古屋競馬で珍しいハプニングがあった。
舞台となったのは11Rの山桜特別。9頭立てで行われたレースだが、スタート直後に発走委がコース内で激しく白旗を振っている……。真正な発走ではなかったため、スタートのやり直しを告げる合図だが、極めて希少な現象であること、そして一見普通にレースのスタートが切られていたこともあって、騎手たちもしばらく、どうしていいのかわからない状況だった。
「どうでしょう……? この競走……」
レースの実況者からも、そんな戸惑いの声が聞かれ、「ただいまの発走は真正な発走とは認められず、カンパイとなりました」という場内アナウンスとともに、レースはやり直し。再発走という流れになったが、向正面まで走ってしまうなど、出走馬9頭がかなり長い距離を走ったために全馬が除外され結局、レース不成立となってしまった。
なお、馬券売上の5819万6100円は全額返還となっている。
「スタートが平等に行われず、発走がやり直しになるケースをカンパイと言いますが、非常に珍しい事象です。それも今回は、実際に不平等なスタートになったわけではなく、スタートを監視する発走委員が誤って白旗を振ってしまう極めて珍しいケース。参戦していた騎手たちが戸惑うのも当然ですし、こういったケースは記憶にありません」(競馬記者)
また、名古屋競馬の公式ホームページでは本件について「発走委員の助手が誤って白旗を振り、競走を制止させたため」としており、「皆様には、大変ご迷惑をお掛けいたしましたことを深くお詫び申し上げます」とのコメントを発表している。
実はレースのカンパイ自体は、今月3日の笠松競馬でも起こっている。しかし、その際は出走馬をゲート内に誘導する係員が離れるのが遅れたため、馬と接触してしまうという明確なアクシデントがあった。
地方競馬では、中央競馬と同じく無観客での開催が行われている。そこにあるべき存在がないことで気が入らない事情は気の毒と述べるほかないが、大事故に繋がりかねないアクシデントが続いているだけに、今一度安全の徹底を願うばかりだ。