JRA NHKマイルC(G1)へ“因縁”残る!? NZT(G2)3着ウイングレイテスト調教師「タラレバ言いたくなる」横山武「4コーナーの不利が……」

 11日に中山競馬場で行われたニュージランドT(G2)は、2番人気のルフトシュトローム(牡3歳、美浦・堀宣行厩舎)が優勝。デビュー3連勝で重賞初制覇と、3歳マイル路線に新星誕生を大きくアピールした。

 2着シーズンズギフト、3着ウイングレイテストまでにNHKマイルC(G1)の優先出走権が与えられたこのレース。4着アブソルティスモとは2馬身以上の差がつく、まさに三つ巴の戦いだったが、どうやら後味の悪い決着となってしまったようだ。

「4コーナーの不利が痛かった……あれがなければ、上位2頭とも際どかった」

 レース後、そう悔しさを露にしたのは3着ウイングレイテストに騎乗していた横山武史騎手だ。16頭立てで行われた芝1600mのレース。馬群が一塊になって4コーナーを回った際、アクシデントが起きてしまった。

 発端となったシーズンズギフトは馬群のやや外目で進路を探していたが、外からコウソクスピードに被せられ、行き場を失っていた。そこで鞍上の津村明秀騎手は、コーナーを回りながら外に進路を求めたが、そこでコウソクスピードと接触……。

 結果的に、外へ弾かれたコウソクスピードが、後ろからまくり気味に進出を開始していたルフトシュトロームの進路を塞ぐことに。回避を試みたルフトシュトロームは大きく外を回らされたが、それをマークするように隣にいたウイングレイテストは、さらに大きく外を回る羽目になった。

「一瞬のことでしたが、玉突き事故のように3頭が大きく外を回らされました。その後、コウソクスピードは失速しましたが、ルフトシュトロームとウイングレイテストは猛然と追い上げていましたね。

 ルフトシュトロームは勝ったからまだ良いかもしれませんが、悔しいのは3着だったウイングレイテスト陣営。横山武騎手が恨み節なのも仕方ないですよ」(競馬記者)

 確かにNHKマイルCの優先出走権は獲れたものの3着では賞金加算できず、今後の進路に大きな影響が出るかもしれない。それもあってか、ウイングレイテストを管理する青木孝文調教師も「タラレバを言いたくなるような、悔しいレースでした」と、結果に納得いっていない様子だった。

 なお、シーズンズギフトに騎乗していた津村騎手にはレース後、JRAから「4コーナーで外側に斜行した」として戒告処分が下っている。

「(NHKマイルCへ)権利は獲れましたし、マイルカップでの雪辱を期したいと思っています」とリベンジを誓った青木調教師。ルフトシュトローム、シーズンズギフト、そしてウイングレイテストの3頭は「因縁」を抱えたまま本番を迎えることになりそうだ。

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