JRA皐月賞(G1)「チーム・オルフェーヴル」が送り込む素質馬ヴェルトライゼンデ、破天荒な三冠馬との「共通点」とは
19日に行われる今年の皐月賞(G1)は、コントレイルとサリオスという“無敗の2歳王者”に加え、弥生賞(G2)で強い勝ち方を見せたサトノフラッグの3頭が人気を集めそうだ。
『netkeiba.com』の事前オッズではこの3頭が3倍前後で抜きんでている。これを追う4番人気に予想されているのがヴェルトライゼンデ(牡3歳、栗東・池江泰寿厩舎)だ。ただし、その予想オッズは12倍前後で3強とは大きな開きがある。割って入る可能性はあるのだろうか。
ヴェルトライゼンデは、デビューから4戦して「2-2-0-0」、連対率は100%を誇る。2走前のホープフルS(G1)では、3強の一角コントレイルに1馬身半差に詰め寄った素質馬だ。
その実績が認められ、前走のスプリングS(G2)では単勝オッズ1.7倍という圧倒的1番人気に支持された。だが、伏兵ガロアクリークの末脚に屈し、2着に終わった。ただし、直行組のコントレイル・サリオスと違い、ひと叩きされた変わり身に期待するファンも多いだろう。
鞍上は前走から引き続き池添謙一騎手が務める。今年は11勝とやや苦しんでいる印象だが、大舞台での強さは折り紙付き。2011年には、オルフェーヴルとのコンビで皐月賞を制している。
オルフェーヴルはその後、史上7頭目のクラシック三冠馬に輝いた名馬中の名馬。そのオルフェーヴルとヴェルトライゼンデには多くの共通点があることをご存じだろうか。
鞍上が池添騎手だったという以外にも、「馬主」と「厩舎」までもが全く同じ。まさにヴェルトライゼンデ陣営のことを「チーム・オルフェ」と呼んでも差し支えないだろう。
馬主は現在リーディングトップを走る「サンデーレーシング」。ラッキーライラックやフィエールマンなど現役馬だけでも6頭のG1ホースを抱える一口馬主クラブだ。サンデーレーシングにとって現3歳世代の“稼ぎ頭”がヴェルトライゼンデである。
管理は名門・池江泰寿厩舎。これまでオルフェーヴルを含め9頭のG1馬を輩出している。2017年にはアルアインで2度目の皐月賞制覇も達成。クラシックレースの勝ち方を熟知している厩舎と言えるだろう。
「馬主×厩舎×騎手」と9年前のオルフェーヴルと全て重なるヴェルトライゼンデ。共通点はこれだけではない。スプリングSからの参戦も同じだ。ただしオルフェーヴルは前哨戦を快勝した点で、2着に敗れたヴェルトライゼンデとは異なる。
9年前のオルフェーヴルと多数の共通点を持つヴェルトライゼンデ。その父ドリームジャーニーはオルフェーヴルの全兄というのも魅力だろう。父はクラシック無冠に終わったが、その息子ヴェルトライゼンデは「チーム・オルフェ」の力で3歳クラシック第1弾の頂点を見据える。