JRA武豊を背にキセキが発走調教再審査を「合格」! 平成の盾男とともに天皇賞・春(G1)出陣へ!!
阪神大賞典(G2)で単勝1.6倍と圧倒的な支持を受けながら、1秒以上の致命的な出遅れが響き、7着に敗れていたキセキ(牡6歳、栗東・角居勝彦厩舎)。同馬には発走調教再審査が課せられていたが、15日、武豊騎手を背に審査に合格。晴れて天皇賞・春(G1)に向かえることになった。
7着と惨敗後、鞍上の川田将雅騎手は「返し馬ではいつも通りの雰囲気」だったと明かすも、「ゲートが開いても出る気を起こさず、出た後はひたすら暴走」したと振り返る。さらに「今後、競馬場に来るたびにどんな反応をするのか心配なところです」と行く末を不安視していた。管理する角居師もショックが多かったのか、「全部ダメ、今後は白紙」と言葉数少なだった。
だがその後、陣営は一転して天皇賞・春参戦を表明。さらに鞍上を川田騎手から、天皇賞・春で8勝をあげ、“平成の盾男”の異名をとる武豊騎手へとチェンジすることも発表した。そして15日にキセキは武豊騎手とともに発走調教再審査に挑戦して、見事パス。またがった武豊騎手は「ゲートを出しただけでしたが、感触としては良かったと思います。ゲート自体は速くはないけど、問題はなかったからね」と明かした。
「無事合格したので、キセキの陣営もほっと胸をなでおろしているでしょう。ですがこれで出遅れグセが解消したというわけではないのが痛いところ。これまでは1秒以上も出遅れたことはありませんでしたが、3歳時も出遅れが目立つなど、もともとあまりスタートが上手いタイプではないですからね。
またキセキ同様にゴールドシップも出足が鈍いながらも勝利を続けていたものの、3連覇がかかった15年の宝塚記念(G1)で歴史に残る大出遅れ。その後は、かつての走りを取り戻すことができずにウソのように連戦連敗し、そのまま引退しています。キセキはそのような前例に習わなければいいのですが……。天皇賞・春では武豊騎手とともに、まだまだやれるということを証明してもらいたいですね」(競馬誌ライター)
今年の天皇賞・春は、阪神大賞典を勝ったユーキャンスマイル、同レース3着のメイショウテンゲン、さらに日経賞を勝ったミッキースワロー、復活が期待されるエタリオウ、去勢されたダンビュライトらが出走を予定している。
天皇賞・春でキセキは武豊騎手を背に、前走出遅れた悪夢を振り払う走りができるだろうか? キセキの復活劇が見たい。