JRA皐月賞(G1)ガロアクリーク「距離不安」の実情!? L.ヒューイットソン「2000mが限界」も実は……
コントレイルとサリオスという2歳G1馬2頭の参戦で注目が集まる19日(日)の皐月賞(G1)。『netkeiba.com』の予想単勝オッズでは、1番人気が2.5倍でコントレイル、2番人気が弥生賞ディープインパクト記念(G2)を勝ったサトノフラッグで、サリオスは3.4倍の3番人気となっている。
この評価では、2歳G1馬2頭にトライアルレースを勝ったサトノフラッグが割って入る形となっているが、皐月賞のトライアルレースは弥生賞だけではない。ガロアクリーク(牡3歳、美浦・上原博之厩舎)が勝った前走のスプリングS(G2)も弥生賞と同じく、皐月賞のトライアルレースとなっている。
しかし、この『netkeiba.com』でのガロアクリークの評価は64.7倍で9番人気。同じトライアルレース勝ち馬なのに、サトノフラッグとガロアクリークでその評価が全く異なる。その理由はガロアクリークの血統ではないだろうか。
ガロアクリークはキンシャサノキセキ産駒である。2010年と2011年の高松宮記念(G1)を連覇した父を持つ馬だけに、皐月賞の2000mという距離を不安視する声は大きい。
スプリングSでガロアクリークの手綱を取ったL.ヒューイットソン騎手もレース後に「距離は2000mが限界かもしれませんね。本番では挑戦者のつもりで頑張ります」と控えめなコメントを残している。
だが、こうした距離不安の声に対し、「2000mの新馬戦を勝ち上がっているのだから距離は問題ない筈だ」と異を唱える記者がいる。
ガロアクリークのデビュー戦は昨年11月17日(日)に東京競馬場の芝2000mで行われた新馬戦だった。1000m通過が65秒1という緩い流れ。ガロアクリークはこのスローペースでもしっかりと折り合い、最後の直線に入り、残り400m付近で馬群から抜け出し、デビュー戦勝利を飾っている。
前述の記者はこのレースについて、「あの緩い流れでしっかりと折り合って、上がり3F33秒5というメンバー中で最速の決め手を使ったのだから、2000mへの適性は十分にある筈だよ。血統だけで決めつけるべきではない」と語る。
このデビュー戦で手綱を取った野中悠太郎騎手もレース後、「体もゆったりしているので、距離はこれくらいあった方がいいと思います」と語っている。当時、野中騎手は2000mという距離に不安を感じていなかったようだ。
ガロアクリークを管理する上原博之調教師も15日(水)の追い切り後、「デイリースポーツ」の取材にこう語る。
「血統は短距離だけど、この馬はゆったり走れて跳びが大きいから、早くから長いところがいいと思っていた。前走もスローで脚を溜められた分、しまいにいい脚を使えた」
この見解は野中騎手と同様だ。折り合いさえつけば、切れる脚を使える馬だと見ているようだ。上原師は2004年の皐月賞をダイワメジャーで制している。その経験に基づく判断で、低評価を覆すことはできるだろうか? その結果に注目したい。