JRA「天才2世」横山武史ついに関東リーディング君臨! 初重賞勝ち含む大爆発3連勝でいよいよ「覚醒」か!?
26日、横山武史騎手が日曜東京のメインレース、フローラS(G2)を4番人気ウインマリリン(牝3、美浦・手塚貴久厩舎)とのコンビで制し、人馬ともに初の重賞勝ちを飾った。
父・横山典弘も「アイツは相当なもんになる」とその才能を絶賛した横山家の3男が、ついに”覚醒”したのかもしれない。
この日、日曜東京では二桁人気5鞍を含む計8鞍に騎乗。7Rまでは5連敗するも、その後の10R、11R、12Rを3連勝で締めくくった。この勝利で今年の勝ち数は25勝となり、O.マーフィー騎手の27勝に次ぐ、関東の日本人騎手のリーディングに立った。
とにかくこの日の横山武騎手は冴えていた。1勝目の東京10R鎌倉S(3勝クラス)では、外の7枠14番のカタナで好発から先頭に立った。手応えを残したまま直線に入ると、伸びあぐねる後続を寄せ付けずに快勝した。
13番人気の人気薄でマークは薄かったとはいえ、徹頭徹尾、逃げに拘った決め打ちが見事にハマったレースだった。
この勝利で気をよくした横山武騎手は、続くメインレースのフローラSでも4番人気ウインマリリンで好騎乗を見せる。シャンドフルールが飛ばした5F通過58秒6の速い流れを、内目の4番手でピタリと折り合った。直線で一気に末脚を爆発させると、ホウオウピースフルの追撃をクビ差凌いで勝利した。
多少は速くなったとしても、馬のリズムを最優先した位置取り、インにつけることで距離のロスを最小限にとどめたことも「クビ」差の勝利につながったといえるだろう。
3連勝の締めとなったのは最終12R(2勝クラス)だ。騎乗したのは前走、芝で二桁着順の大敗から初ダートとなった12番人気ブランクエンド。前を行く2頭から離れた外目の3番手につけると、直線入り口では早くも鞭を入れて仕掛けた。残り200mで先頭に立つと悠々とゴール板を駆け抜けた。
このレースもまた、芝スタートとなる東京のダート1600mの特性に適した作戦だった。芝を走っていた馬のスピードを活かして、砂をかぶりにくい外からの追走を選択。あえて早めに仕掛けることで後続の末脚を完封している。
「父である横山典弘騎手も『アイツはタダものじゃない』と才能を認めているくらいですからね。これまでも人気薄でたびたび大穴を開けているように、乗れる若手でした。横山武騎手の重賞初勝利は時間の問題だったともいえます。
今日のレースにしても、前が残っている東京のダートの傾向を把握した上での強気の先行策でした。ただ単に前にいるだけではなく、遅ければハナを奪い、速ければ少し下げるという絶妙な判断が勝敗を分けたといえます。外国人騎手が集中した東京開催にもかかわらず、騎手の腕で勝たせたといえる好騎乗は、関係者への大きなアピールとなったのではないでしょうか」(競馬記者)
現在、騎手リーディングの上位は外国人騎手と関西の騎手がほぼ独占しており、関東は劣勢に立たされている状況でもある。近い将来、関東を代表する騎手の一人になるかもしれない横山武騎手への期待は大きくなる一方だ。
休養中の戸崎圭太騎手も、うかうかしていられないかも?