JRA「お寒い」関東リーディング……。騎乗期間わずか「1ヶ月」マーフィーが未だに君臨も、悪いことばかりではない!?
先週の日曜東京では、横山武史騎手が10Rから見事3連勝を飾り、ついに「日本人」の関東リーディングトップに立った。「日本人」をつけなければならない事情は、いまだ1位にO.マーフィー騎手がいるからに他ならない。
競馬界では春のG1シーズンに突入し、はや5月を迎えようとしている。にもかかわらず、マーフィー騎手が、関東リーディングのままということは、異例の状況といってもいいだろう。1月5日から2月3日というわずか「1ヶ月」しか騎乗していないのだ。
確かに2月3日現在で27勝は、全国リーディングとなる荒稼ぎだったことは確かだが、「3ヶ月」も多くの騎乗機会があれば、他の騎手が「奪首」していても不思議ではないだろう。
だが、4月27日現在の全国リーディングに目を移しても関東リーディングに立った横山武騎手の25勝は11位でしかない。関西の騎手と外国人騎手が、上位を占めている現状だ。それでも、関東のエースだった戸崎圭太騎手が復帰していないことを考慮すると横山武騎手は奮闘しているといえるかもしれない。
その一方で、目についたのは若手騎手の活躍だ。11位の横山武騎手をはじめ、9位に西村淳也騎手、10位に岩田望来騎手、13位に団野大成騎手の名前がある。こちらについては、外国人騎手に有力馬が集中する傾向が強い昨今の状況においても、若手騎手が育ってきているといえるだろう。
「関東が劣勢な理由として、やはり戸崎騎手の離脱は大きいでしょうね。これまで関東のいい馬は戸崎騎手に集中していましたから。それにC.ルメール騎手が関東で騎乗することが多いことでも、関東の騎手が割を食った可能性が高いといえます。
昨年のルメール騎手は、勝ち鞍の半分を関東であげていることも無視できません。ルメール騎手がいるとそちらに有力馬の依頼がいくため、他の騎手にはなかなかいい馬が回って来ません。そんななかでベテランや中堅ではなく、若手の横山武騎手がリーディングになったことは大きな意味があるでしょう」(競馬記者)
確かに外国人騎手の活躍が目立つとはいえ、日本人騎手のリーディング上位の顔ぶれに大きな変化がないことは事実だ。
レジェンド武豊騎手ももう51歳。近い将来、世代交代の波が訪れることは間違いないだけに、若手騎手の台頭はむしろ明るい材料といえるのかもしれない。