【徹底考察】菊花賞(G1) ディーマジェスティ「『ディープ産駒・菊花賞未勝利』のデータも皐月賞馬に死角なし!『淀の勝ち方』を知る蛯名正義の奥義が世代の頂点へ導く」
この馬が真価を発揮するのは、G1にもかかわらず1位から最下位までが5秒以上もちぎれた皐月賞のような消耗戦。そして、それは菊花賞のレース傾向にも合致している。
【血統診断】
ディープインパクト×ブライアンズタイムという配合は大物感溢れる組み合わせだが、ブライアンズタイムが色濃く出るため、空振りも多い。本馬がホームラン級の当たりになった最大の要因は、おそらく2代母のシンコウエルメスの血が良い方向に出たからだろう。
シンコウエルメスはキングジョージ6世&QESや英・愛国のダービーを勝ったジェネラス、マイラーズCを勝ったオースミタイクーンの半妹であり、愛1000ギニーと英オークスを勝ったイマジンの全妹という世界的な良血だ。
マスターダービー×サドラーズウェルズ×ブライアンズタイムという配合はスタミナ十分で、ディープインパクト産駒でも菊花賞まで楽しめる配合。叔母には牝馬ながらステイヤーズSで2着したエルノヴァがいる。距離延長に関してはまったく問題ないが、ディープインパクト産駒ながらやや重い配合なので、純粋な切れ味勝負になった場合に不安が残る。3着に敗れた日本ダービーは、まさにその弱点が表面化した結果だった。
ただ、前走のセントライト記念でも自ら早めに動いてレースペースを上げることで持続力勝負に持ち込んだように、自らの力で得意の状況を作れることがこの馬の強み。
京都は初見参となるが、淀の名物といわれる4コーナーの下り坂はまくりを身上とする本馬の味方になるはず。この時期の京都にしばしば見られる極端な高速馬場にならない限りは、死角らしい死角はない。