JRA「責任を果たせてほっとした」浜中俊が“代打”で決める! 天皇賞「春秋」制覇へ、ユーキャンスマイルで「5年前」の再現なるか!?
5月3日、京都競馬場で天皇賞・春(G1)が開催される。阪神大賞典(G2)を制したユーキャンスマイル(牡5歳、栗東・友道康夫厩舎)は、主戦の岩田康誠騎手が落馬負傷のため、浜中俊騎手とのコンビで参戦する。
これまで重賞3勝を挙げているユーキャンスマイルだが、G1の舞台ではなかなか結果が出ていない。18年の菊花賞(G1)が3着、昨年の天皇賞・春が5着、天皇賞・秋(G1)が4着、ジャパンC(G1)が5着と、常に掲示板を確保する堅実な走りをしているが、あと1歩戴冠に届いていない状況だ。
そんなユーキャンスマイルにとって岩田康騎手は、勝利した重賞レースですべて手綱を取ったパートナーだけに乗り替わりは残念な出来事である。だが、浜中騎手への乗り替わりが怪我の功名となるかもしれない。
浜中騎手はこれまで天皇賞・春での勝利はないものの、同じく京都競馬場で行われる長距離G1・菊花賞を2009年にスリーロールスで制している。決して長距離レースでの実績がないわけではない。
何より心強いのが、ユーキャンスマイルと同じ金子真人オーナーの所有馬ラブリーデイでの“代打”実績があることだ。
2015年、宝塚記念(G1)で待望の初G1制覇を達成したラブリーデイ。秋始動戦の京都大賞典(G2)も勝利して、天皇賞・秋(G1)挑戦に向けて万全の態勢に思われた。しかし、アクシデントがラブリーデイを襲う。主戦の川田将雅騎手が騎乗停止になってしまい、天皇賞・秋での騎乗ができなくなってしまったのだ。そこで白羽の矢が立ったのが、浜中騎手だった。
レースは4番手で折り合いをつけて直線に入ると、残り200mを過ぎたあたりで先頭に立つ。そのまま最後までラブリーデイのフットワークは衰えず、後続の追撃を凌いで勝利した。
見事に代打で結果を出すことができた浜中騎手は「責任を果たせてほっとした。この馬の強さを証明できてうれしい。最低限の仕事ができました」と馬の力を称えつつも、謙虚なコメント。また「返し馬や競馬での馬の特徴をアドバイスしてもらいました」と騎乗停止中の川田騎手に感謝を述べた。
あれから約5年、つぎは天皇賞・春の代打で結果を出す番だ。
今回のコンビ結成の裏には、岩田康騎手の負傷した日のうちに友道調教師と金子オーナーで協議して鞍上が決まったという経緯があったという。浜中騎手にかけられる期待は大きいだろう。
29日、最終追い切りでユーキャンスマイルに跨った浜中騎手は「本当に乗りやすかった。操縦性の高さを確認できた」と手ごたえ十分の様子。本番に向けて順調な仕上がりのようだ。
京都大賞典をステップに天皇賞・秋を制したラブリーデイに続いて、阪神大賞典をステップに天皇賞・春をユーキャンスマイルが制することはできるだろうか。代打・浜中の手腕にかかっているだろう。
馬名のように日本中に浜中騎手の“笑顔”が届けられることに期待したい。